アルベマール (装甲艦)

CSS アルベマール

CSSアルベマールは、南北戦争中にアメリカ連合国海軍が運用した蒸気駆動の装甲艦です。この艦は、南軍の海軍において重要な役割を果たし、特にロアノーク川での戦闘においてその名を馳せました。また、「アルベマール」という名前はノースカロライナ州の地名にも由来しています。

建造の背景

アルベマールの建造は1862年に始まりました。その前年の3月、南軍の装甲艦CSSバージニアが北軍の木造艦に勝利したことがきっかけとなりました。この勝利によって、南軍の海軍幹部は衝角付きの装甲艦の重要性を認識し、より効果的な艦の設計を進めることを決定しました。1862年4月、ギルバート・エリオット中尉と建造契約が締結され、彼は装甲艦の建造責任者に任命されました。

エリオットは、ロアノーク川の上流にプランテーションの所有者ピーター・スミスの協力を得て造船所を設置。そこでは、講座機と呼ばれる特殊なデザインの装甲艦が計画されました。設計には、30度の傾斜をもつ装甲板と砲郭が使われ、強力な砲が装備されました。初めての砲艦建造が1863年1月に開始され、その後も工事は進められましたが、北軍の注目を浴びる結果になりました。

武装と戦歴

アルベマールは、2門の6.4インチブルック砲を採用し、左右180度まで射界を持つ強力な武装を誇りました。1864年4月、アルベマールはロアノーク川で北軍の艦船を掃討する任務を与えられました。指揮官のジェームズ・クック大佐は、護衛艦アルベマールを先頭に、北軍の砲艦と接触し、激しい戦闘が繰り広げられました。

特にUSSサウスフィールドに対する衝角攻撃の場面が有名です。アルベマールはサウスフィールドに衝角で衝突し、艦は沈没しました。さらに、USSマイアミとの交戦でもアルベマールは勝利を収め、北軍の艦艇を一掃しました。これにより、南軍はプリマスへの攻撃を行うための条件を整えることができました。

沈没と引き揚げ

アルベマールはその後、北軍に対抗するための作戦が進められる中で、新たな脅威に直面しました。ウィリアム・クッシング大尉が指揮する小型の蒸気艇による奇襲が計画されており、アルベマールは急速にその存在を危うくされてしまいます。1864年10月27日の夜、クッシングの指揮下での急襲により大きな爆発が発生し、アルベマールは沈没しました。船体には大きな穴があき、川底に沈むこととなりました。

戦後、アメリカ合衆国海軍はアルベマールを引き揚げ、修理を行いました。1865年6月には修理が完了し、再び軍務に服する予定でしたが、1867年までの間はほとんど目立った活動をしませんでした。謎に包まれたその後の運命は、どうやら解体されてしまったようです。

現在のレプリカ

2002年には、3/8サイズのアルベマールのレプリカがプリマス近くの博物館に係留され、毎年行われる歴史イベントでロアノーク川を航行しています。このレプリカは自走可能で、多くの人々にその歴史的意義を伝えています。

アルベマールの歴史は単なる軍艦の物語ではなく、南北戦争時代の海軍技術と戦術のEvolutionの一部として、また風変わりな英雄たちの活躍の物語として知られています。

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