アルベルト・プエジョ

アルベルト・プエジョ：無敗の世界王者

ドミニカ共和国サン・フアン・デ・ラ・マグアーナに生まれたアルベルト・プエジョ・カルデロンは、1994年7月22日生まれのプロボクサーです。スーパーライト級のリングで、現在も無敗記録を更新し続けるトップ選手であり、元WBA世界スーパーライト級王者、そして現WBC世界スーパーライト級王者として知られています。

プロキャリアの歩み

プエジョがプロの舞台に立ったのは2015年3月のことでした。以降、地道にキャリアを積み重ね、その才能を開花させていきます。キャリア初期には、WBCラテンアメリカやWBAフェデラテンのスーパーライト級タイトルを獲得し、自身の力を証明していきました。

最初の主要な世界タイトル挑戦は2019年7月。ドミニカ共和国で行われたWBA世界スーパーライト級暫定王座決定戦で、ジョナサン・アロンソと対戦。12ラウンドの戦いを制し、3-0の判定で勝利。見事に暫定ながらも世界王座を獲得しました。

暫定王者として、彼は2度の防衛戦に臨みます。2020年12月にはクリスチャン・コリアを相手に6回終了TKO勝ちを収め初防衛に成功。続く2021年7月にはヘスス・アントニオ・ルビオを相手に12ラウンド判定勝ちを収め、2度目の防衛を果たしました。

しかし2021年8月、WBAが暫定王座制度を廃止したことに伴い、プエジョは王座を失いますが、同時に指名挑戦権が付与されることとなりました。

WBA正規王座獲得と波乱

指名挑戦者としての機会は2022年8月に訪れます。フロリダ州で行われたWBA世界スーパーライト級王座決定戦で、ランキング2位のバティル・アフメドフと対戦。この強敵を相手に12ラウンド判定で勝利し、WBA世界スーパーライト級正規王座の獲得、すなわち「王座返り咲き」を果たしました。

順風満帆に見えたキャリアでしたが、2023年、思わぬ事態が発生します。同年4月、VADA（ボランティア・アンチ・ドーピング協会）によるドーピング検査で、禁止薬物であるクロミフェンに陽性反応を示したことが発表されたのです。この結果、予定されていた防衛戦は中止となり、5月にはWBAから休養王者に認定される処分を受けました。さらに6月には、ネバダ州アスレチック・コミッションから6ヶ月間の出場停止処分が下されるなど、キャリアに大きな影を落としました。

WBC王座獲得、そして正規王座へ

処分期間を終え、リングに復帰したプエジョは新たな目標を設定します。2024年6月、ラスベガスで行われたビッグイベントの前座で、WBC世界スーパーライト級暫定王座決定戦に臨みました。相手はランキング2位のゲイリー・アントゥアン・ラッセル。激しい戦いの末、プエジョは2-1のスプリット判定で勝利を収め、WBC暫定王座を手中に収めました。

そしてそのわずか数日後、事態は急変します。WBC世界スーパーライト級正規王者であったデヴィン・ヘイニーが休養王座に移行したことに伴い、プエジョは暫定王者からWBC正規王座へと昇格。これにより、彼は二つの主要団体で正規王者の座に就いた経歴を持つこととなりました。

戦績と今後

アルベルト・プエジョのプロボクシング戦績は、現在まで24戦全勝（10KO）という驚異的な無敗記録を維持しています。WBA暫定王座（2度防衛）、WBA正規王座（休養王者に）、そして現在のWBC正規王座と、キャリアを通じて複数の世界タイトルを獲得してきました。ドーピング問題という困難を乗り越え、再び世界の頂点に立ったプエジョ。無敗記録をどこまで伸ばし、WBC王者としてどのような戦いを見せるのか、今後の活躍から目が離せません。

主な獲得タイトル

WBCラテンアメリカスーパーライト級王座
WBAフェデラテンスーパーライト級王座
WBA世界スーパーライト級暫定王座（防衛2）
WBA世界スーパーライト級王座（休養王者に認定）
WBC世界スーパーライト級暫定王座
WBC世界スーパーライト級王座

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