アルマン・ド・ブルボン (コンティ公)

アルマン・ド・ブルボン＝コンティの生涯

アルマン・ド・ブルボン＝コンティ（1629年 - 1666年）は、フランスの貴族で、コンティ公として知られています。彼の人生は多くの出来事に満ち、時には波乱に満ちたものでした。彼の兄はコンデ公ルイ2世、姉はロングヴィル公爵夫人アンヌです。アルマンは1648年にフロンドの乱に関与し、特に異彩を放った存在でしたが、その後の人生では様々な苦難が待っていました。

生い立ちと初期のキャリア

アルマンはパリで生まれ、聖職者になることが期待されていました。彼はブルジュ大学で神学を学びましたが、職務には就かないままでした。しかし、アルマンは家族の影響を受けてか、軍事活動にも関心を持ちました。特に、1648年のフロンドの乱において彼は反乱軍の司令官として指導的な役割を果たしました。

フロンドの乱と捕虚

フロンドの乱は、フランスの貴族による反乱であり、アルマンはこの混乱の中で際立った活躍をしました。然而、1650年には捕虜となり、ヴァンセンヌ要塞に投獄されることとなります。監禁中、アルマンは精神的な影響を受け、独特の神秘思想にのめり込むようになります。彼は姉アンヌに対する強い愛情を抱き、自身の感情を何とか伝えようと試みました。さらに、化学に興味を持ち、自ら毒物を調合するなどしてその行動はますます奇妙さを増していきました。

解放とその後の人生

マザランが亡命すると、アルマンはついに自由の身となります。彼はシュヴルーズ令嬢との結婚を望みますが、兄であるルイ2世によって阻まれてしまいました。しかし、フロンド派に参加した後、マザランと和解し、1654年にはマザランの姪アンヌ・マリー・マルティノッジと結婚します。この結婚によって彼はギュイエンヌの知事に任命され、家庭も持ちました。彼とアンヌの間には2人の子供、ルイ・アルマン1世とフランソワ・ルイが誕生しました。

軍事活動と学問の追求

1654年、アルマンは軍を率いてカタルーニャに突入し、スペインから3つの都市を奪取する成功を収めました。しかし、その後の1657年にはアレッサンドリアでの戦いに敗れ、ラングドックへ撤退することになります。この敗北以降、彼は学問と神秘思想の探求に没頭するようになりました。また、クレルモンでモリエールと親交を結び、彼をルイ14世の宮廷に紹介することで、当時のフランス文化や演劇に影響を与える一因となりました。

アルマンの人生は、貴族としての地位は持っていたものの、彼個人の内面的な探求や人生の試練が交錯したものでした。彼の神秘思想への追求は、彼が亡くなるまで続き、その影響は後の世にも残ることになります。彼の奇妙な生き様は、当時のフランスの歴史の一部として、非常に興味深いものとなっています。

もう一度検索