ラングドック

ラングドックの歴史と特徴

ラングドック（Languedoc）は、フランス南部に位置する伝統的な地域であり、その名称は13世紀にさかのぼります。この地域は、元々オック語を話す人々が住む地方であり、フランス王領に併合された際に「Langue d'oc」と呼ばれていました。この名称には、フランス語の「oc」に基づくオック語が含まれており、ラテン語では「Lingua Occitana」と表現されます。時が経つにつれ、名称は男性形へと変化し、現在の「ラングドック」として知られるようになりました。

ラングドックの地理的範囲は、フランスの近代的な州の分布を考慮すると、主にミディ＝ピレネー地域圏とラングドック＝ルシヨン地域圏の二つによって特徴付けられています。さらに、この地域はローヌ＝アルプ地域圏の一部やオーヴェルニュ地域圏にもまたがっています。広大なラングドックの土地は、かつてのローマ属州ガリア・ナルボネンシスと重なる部分が多く、歴史的にも重要な役割を果たしてきました。

初期のラングドックはローマ帝国の影響を受けており、その後の西ゴート族の統治により「ゴティア」として知られるようになりました。5世紀以降、西ゴート族はこの地域の支配者となり、彼らの影響下でラングドックは発展しました。7世紀にはサラセン人が一時的に進出しますが、その後カール・マルテルや大ピピン、カール大帝によって退けられ、再びフランク王国の支配下に入ります。

ラングドックは、フランク王国の一部としてセプティマニー公領を形成しました。しかし、その後すぐに独立し、10世紀にはトゥールーズ伯領と重なる位置にありました。特にアルビジョワ十字軍の影響を受けた時期には、地域の歴史の転換が見られます。アルビ、ベジエ、カルカソンヌの地域を支配していたモンフォール伯アモーリー5世は、1229年にフランス王ルイ8世に領地を譲渡することとなります。これを確認したのが、トゥールーズ伯レーモン7世とルイ聖王との条約でした。

ラングドックは、フランスの歴史、文化、言語の交差点として存在し、ユニークな地理的および歴史的背景を持っています。今日でも、この地域はオクシタニアと称される文化的な背景の一部を形成し、その伝統や歴史は現代においても地域社会に深く根付いています。観光名所としては、美しい風景、歴史的な建造物、そして豊かな食文化が広がっており、多くの旅行者を惹きつけています。

もう一度検索