アルメニア暦

アルメニア暦は、アルメニアで伝統的に使用されてきた暦です。その特徴は、1年が常に365日であるという点です。この固定された年制度により、太陽年やユリウス暦との間にずれが生じ続けていましたが、アルメニア暦1461年（グレゴリオ暦2010年/2011年）にユリウス暦と一致しました。アルメニア暦の元年となるのは、ユリウス暦の552年7月11日です。この基準に基づくと、例えばアルメニア暦1462年は、ユリウス暦の2012年7月11日に始まり、グレゴリオ暦の2012年7月24日に相当します。

アルメニア暦の日付表記を分析すると、曜日の古代名とキリスト教名、月の名前、日付、年数、宗教的な祝祭日など、様々な要素が組み合わさって用いられていることが分かります。1年は30日ごとの12ヶ月に分割され、さらに5日間（閏）が「aweleacʿ（過剰）」として加えられます。年の表記には通常、アルメニア数字が使用されます。グレゴリオ暦からアルメニア暦への変換も可能で、西暦2020年はアルメニア暦の1469年にあたります。

月の名前

アルメニア暦の月の名前には、ゾロアスター暦からの影響が強く見られます。また、言語学者のアントワーヌ・メイエが指摘したように、カルトヴェリ語族の言語からの影響も無視できません。月の名前の音訳には複数の方法がありますが、ここではヒューブシュマン＝メイエ＝ベンヴェニステ方式を採用しています。

日の名前

アルメニア暦では、西暦のように月の1日から順番に番号を振るのではなく、それぞれの日付に固有の名称を使用しています。この習慣は、アヴェスター語圏のカレンダーにも見られ、ゾロアスター教の影響を強く示唆しています。



このように、アルメニア暦は単なる時間測定の手段としてだけでなく、古代からの文化、宗教、そして言語の影響を色濃く反映した興味深い暦体系です。

もう一度検索