アレクサンドル・スミルノフ

アレクサンドル・ヴィクトロヴィチ・スミルノフは、1984年10月11日にトヴェリ州トヴェリで生まれました。4歳でスケートを始め、当初は男子シングル選手として活動していましたが、17歳の時にペアスケーティングに転向しました。

ペア結成から国際舞台へ

アレクサンドラ・ダニロワとのペアを経て、2005年にエカテリーナ・ワシリエワとペアを結成。JGPバルト杯で2位に入賞するも、シーズン終了後に解散。2006年4月には、川口悠子と新たにペアを結成し、国際舞台へと足を踏み入れます。

2006-2007シーズンには、ロシア杯で3位となり、2007年世界選手権では9位入賞を果たし、頭角を現しました。続く2007-2008シーズンには、スケートカナダとロシア杯で共に3位に入り、初のグランプリファイナル進出を決めました。グランプリファイナルでは、SPとFSで転倒があり5位に終わりましたが、2008年1月にはロシア選手権で初優勝を飾り、欧州選手権のロシア代表に選出されました。欧州選手権では、SP4位からFS3位で総合3位に入り、初出場でメダルを獲得しました。

輝かしい成績と度重なる試練

2009-2010シーズンには、欧州選手権でSP、FS、総合得点全てでパーソナルベストを更新し、初優勝。FSではISU歴代最高得点も更新しました。また、同年のバンクーバーオリンピックではロシア代表として出場、世界選手権では2年連続で3位に入賞するなど、輝かしい成績を収めました。

しかし、2010年4月には、川口が肩の手術、スミルノフも股の付け根部分を負傷し、ドイツで治療を受けました。その後、スミルノフが踵を捻挫するなど、度重なる怪我に見舞われます。怪我からの復帰戦となったロステレコム杯では優勝を飾るも、東日本大震災の影響で急遽開催地がロシアに変更となった世界選手権では4位入賞にとどまりました。

2011-2012シーズン、グランプリファイナルでは初のメダルとなる銅メダルを獲得。ロシア選手権は怪我のため欠場、欧州選手権は盲腸炎の緊急手術のため欠場を余儀なくされました。世界選手権では、リフト中の転倒などミスが重なり7位に終わりました。2012-2013シーズンには右膝の半月板を手術。欧州選手権ではペア結成以来初めてメダルを逃しました。世界選手権では、FSの最後のリフトでフェンスに接触し失敗、順位を6位に落としました。

怪我を乗り越え、再び頂点へ

2013-2014シーズンには、国内大会で膝の靭帯を断裂、手術のため、スケートカナダとNHK杯を辞退しました。怪我からの復帰は間に合わず、シーズン全ての試合を欠場することになりました。このシーズン限りでの引退を予定していましたが、2018年平昌オリンピックを目指し、現役を続行することを決意しました。

2014-2015シーズン、復帰戦のネーベルホルン杯で優勝。グランプリシリーズのスケートアメリカでは自身初めてスロー4回転サルコウでマイナス評価を受けない実施をしました。5シーズンぶりにFSのパーソナルベストを更新し優勝。この優勝により、史上5組目のグランプリシリーズ全6戦の優勝者となりました。欧州選手権ではSP2位から逆転し、5年ぶり2度目の優勝を果たしました。2年ぶりに出場した世界選手権のSPはミスのない演技で4位につけましたが、FSではスロー3回転ループの転倒など精彩を欠き、5位に順位を落としました。

引退

2015-2016シーズン、グランプリファイナルで5年ぶりに銅メダルを獲得。ロシア選手権では2位、欧州選手権と世界選手権の代表に内定しましたが、川口のアキレス腱断裂により欧州選手権の代表を辞退しました。2016-2017シーズンはグランプリシリーズではメダルを逃し、ロシア選手権でも表彰台を逃しました。2017年9月22日に引退を発表しました。

人物

2010年8月に一般人女性と結婚。2014年10月には、夫人との間に第一子となる男の子が誕生しています。

スミルノフは、数々の怪我や手術を乗り越え、常に高い目標を持って競技に臨み、多くのファンを魅了しました。彼の粘り強さと精神力は、多くの人々に感動を与えました。

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