トヴェリ

トヴェリの都市概要

ロシア連邦のトヴェリ州に位置するトヴェリは、同州の州都であり、2021年の時点での人口は約41万6000人です。この都市は、モスクワの北西約170キロメートルに位置し、モスクワとサンクトペテルブルクを結ぶ鉄道と高速道路M10が通っており、交通の要所としても知られています。トヴェリはヴォルガ川とトヴェルツァ川が合流する地点にあり、自然環境にも恵まれています。1931年から1990年までは、革命家ミハイル・カリーニンにちなんでカリーニンと呼ばれていました。

産業と教育

トヴェリは重要な工業都市で、鉄道車両の製造、木材加工、繊維業、化学工業などが活発に行われています。特に、近郊にはロシア最大の空軍輸送機基地であるミガロヴォが位置しています。さらに、トヴェリは高等教育機関が数多く存在し、トヴェリ国立大学をはじめ、技術大学、医科大学、軍事大学、農業大学などが設置されています。また、モスクワの大学や研究機関の一部がトヴェリに支部を持っていることから、学術的な交流も盛んです。

歴史的背景

トヴェリの起源は12世紀に遡り、最初の文献記録は1164年に見られます。当初はノヴゴロドの商人による小規模な交易拠点でしたが、1209年にウラジーミル大公の手に渡ります。その後、1246年にはアレクサンドル・ネフスキーがトヴェリを弟のヤロスラフに与え、1247年にはトヴェリ公国の首都となりました。トヴェリ公国は、モンゴルの侵略に立ち向かう英雄的な指導者を輩出し、ルーシの中でも有力な国となっていきました。

中世におけるトヴェリ公国は、富と影響力を持ちながらも、リトアニアやモスクワとの権力闘争の中で困難な状況に直面しました。特に、トヴェリ大公ミハイル・ヤロスラヴィチは、1285年にトヴェリ公に就任し、後にウラジーミル大公として知られるようになりますが、外部勢力との戦闘で命を落とします。その後、息子のドミトリーが大公の地位を継承し、更なる栄光を目指しました。

トヴェリ公国の衰退

トヴェリ大公国は14世紀には競争が激化し、内部分裂が生じました。1420年代から1450年代にかけては再び力を持つようになりましたが、最終的にはモスクワ大公国に併合され、1485年にはイヴァン3世によって占領されました。これによりトヴェリはモスクワ大公国の一部となり、大公家の最後の子孫も含めて、歴史的な位置を失っていきました。

近 modernな歴史

新たに建設されたサンクトペテルブルクによって、トヴェリは再び重要な交通の要所として注目が集まりました。しかし、1763年に大火が発生し、町は荒廃しました。エカテリーナ2世の治世により、市街は新古典主義の美しい街並みに再建されます。1931年、トヴェリはカリーニンと改名され、ソ連時代には再び大きな変革を経験しました。

冷戦時代においては、トヴェリにはクリュチコヴォ空軍基地が設置されるなど、国家にとって重要な地域となりました。しかし、1990年には再び「トヴェリ」として市名が戻り、現在に至るまで様々な文化的活動が行われています。

現在のトヴェリ

今日、トヴェリはエカテリーナ2世時代の建物やソビエト時代の建築を兼ね備えた街として賑わっています。有名な友好都市としてはオスナブリュックやバッファロー、ベルガモなどがあり、多様な国際的なつながりを持っています。歴史的な建物は少ないものの、それぞれの時代の遺産が残る町として、観光地としての魅力を保ち続けています。

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