アレクサンドル・ファジェーエフ

アレクサンドル・アレクサンドロヴィッチ・ファジェーエフ

アレクサンドル・アレクサンドロヴィッチ・ファジェーエフ（Александр Александрович Фадеев, 1901年12月11日 - 1956年5月13日）は、ソビエト連邦（現ロシア）の作家であり、社会主義リアリズム文学の代表的な存在として知られています。

生涯

極東ロシアで育ったファジェーエフは、ウラジオストク商業学校で学びました。ロシア革命後の内戦期には赤軍に参加し、パルチザンとして活動しました。この内戦での経験が、彼の初期の作品に大きな影響を与えました。

1923年に発表した「氾濫」「流れに抗して」で作家としてのキャリアをスタートさせました。1927年には、代表作となる「壊滅」を発表し、革命文学の新しい書き手として注目を集めました。

ファジェーエフはソ連共産党の文学部門で中心的な役割を果たし、1939年には党の中央委員に選出されました。マクシム・ゴーリキーの死後、ソ連文壇における有力者の一人となりました。戦後にはソ連作家同盟の書記長を務め、社会主義リアリズムの推進に尽力しました。

戦時下の抵抗運動を描いた「若き親衛隊」は、1946年にスターリン賞を受賞しましたが、翌年には党の関与が不十分であると批判を受けました。その後、ファジェーエフは作品を改訂し、1951年に再発表しました。

1949年10月1日、中華人民共和国成立を宣言する式典に、ソ連代表団長として参加しました。

1956年、ニキータ・フルシチョフによるスターリン批判は、ファジェーエフに大きな衝撃を与えました。その影響からか、同年5月13日に自殺しました。

作品（日本語訳）

『壊滅』(Разгром)：蔵原惟人訳（南宋書院、月曜書房、青木文庫、岩波文庫など多数）
『壊滅・氾濫』：蔵原惟人・山村房次訳（新日本出版社）
『ウゲデ族の最後の者』：杉三郎・外村史郎訳（三笠書房）
『若き親衛隊』(Молодая гвардия)：中島學自訳（廿世紀文學研究會）、黒田辰男訳（青木文庫）

参考文献

『集英社世界文学事典』（原卓也執筆）
『若き親衛隊』青木文庫版解説（黒田辰男執筆）

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