アレックスシネマ

アレックスシネマ：近畿地方に根付くシネマコンプレックス

アレックスシネマは、滋賀県、福井県、大阪府に4つのシネマコンプレックスを運営する映画館チェーンです。各劇場は4～9スクリーンを備え、地域住民にとって身近なエンターテインメント空間として親しまれています。

設立と平和堂との関係

アレックスシネマの設立は2000年頃にさかのぼります。平和堂が運営するショッピングセンター「アル・プラザ」へのシネマコンプレックス誘致を計画したものの、採算性が見込めないことから、映画興行会社からの賛同を得られませんでした。そこで、平和堂SC事業部員だった松本智氏が社長となり、アレックスシネマが設立されました。

この経緯から、アレックスシネマの劇場はすべて平和堂のショッピングセンター内に立地しており、平和堂のポイントカード「HOPカード」の提示による割引サービスも提供されています。松本氏は、2007年には生活衛生同業組合滋賀県興行協会の理事長に就任するなど、地域社会にも貢献しています。

沿革と劇場の変遷

2000年には水口アレックスシネマと敦賀アレックスシネマが開館し、アレックスシネマの歴史が始まりました。その後、TOHOシネマズから大津アレックスシネマと鯖江アレックスシネマの事業を譲受、ジョイプラザから高槻アレックスシネマの事業を譲受するなど、積極的に劇場運営を拡大してきました。

2020年には新型コロナウイルス感染拡大の影響で一時休業を余儀なくされましたが、その後再開。しかし、大津アレックスシネマは2022年に閉館しています。現在、水口、敦賀、鯖江、高槻の4劇場が営業中です。

設備とサービス：顧客満足度向上への取り組み

アレックスシネマは、顧客満足度向上に向けた様々な取り組みを行っています。

インターネット予約システム:　2000年の開館当初からインターネットによるチケット予約システムを導入しており、業界でも先進的な取り組みとして注目されました。ただし、Web上での決済ではなく、メール予約後に劇場で決済を行うシステムとなっています。2010年からは座席指定システム「ココトル」も導入されています。

ペアシート: 水口と敦賀の劇場では、ペアシートが導入されており、カップルや友人同士での鑑賞に最適な環境を提供しています。中小規模のシネマコンプレックスとしては珍しい設備です。

デジタル3D上映: 2011年には全劇場の映写機をデジタル化し、ドルビー3D方式を導入することで、3D映画の上映にも対応しました。

ポイントカード制度: アレックスシネマでは、「プレミアコース」と「なかよしコース」の2種類のポイントカード制度がありましたが、現在は「なかよしコース」に一本化されています。ポイントの貯蓄による招待券や割引などの特典が提供され、顧客の囲い込みに貢献しています。

各劇場の特徴

アレックスシネマの各劇場は、それぞれ独自の特色を持っています。水口と敦賀の劇場は、創業当初から運営されている劇場で、全スクリーンにスタジアムシートが導入されています。鯖江と高槻の劇場は、TOHOシネマズやジョイプラザから事業譲渡された後にアレックスシネマとして再開館した劇場で、こちらも全スクリーンにスタジアムシートが導入されています。

かつて存在した大津アレックスシネマは、スタジアムシートが導入されていなかった点が特徴でした。

まとめ

アレックスシネマは、近畿地方において、地域に密着したシネマコンプレックスとして発展してきました。平和堂との連携や独自のサービス提供、そして時代の変化に対応した設備投資など、様々な工夫を通じて、地域住民に愛される映画館を目指していると言えるでしょう。今後の展開にも注目が集まります。

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