アレックス・オルメド

アレックス・オルメド：ペルーが生んだテニス界の英雄

アレックス・オルメド（1936年3月24日-2020年12月9日）は、ペルーのアレキパ出身のテニス選手です。本名はアレハンドロ・オルメド・ロドリゲス。ペルーが生んだ最も偉大なテニス選手の一人として知られており、その卓越した才能と個性的なキャラクターでテニス史に名を刻みました。

南カリフォルニア大学在学中には、堂々とした体格と印象的なあごひげから、“Chief”（長）というニックネームで呼ばれていました。このニックネームは、彼の威風堂々としたプレーとカリスマ性をよく表しています。彼のテニススタイルは、攻撃的なボレーと果敢なネットプレーが特徴で、観客を魅了しました。

オルメドは、南カリフォルニア大学在学中に「南カリフォルニア・テニス協会」会長のペリー・ジョーンズと出会い、彼から後援を受けました。この出会いが、彼のキャリアに大きな転機をもたらしました。1958年には、全米選手権男子ダブルスでハミルトン・リチャードソンとペアを組み、4大大会初優勝を達成。この成功は、彼の才能を世界に知らしめることとなりました。

同年、ペルーにはデビスカップのチームがなかったため、ジョーンズの後押しにより、アメリカ代表としてデビスカップに出場。アメリカ人ではない選手がアメリカ代表としてデビスカップに出場したのはオルメドが初めてであり、当時大きな話題となりました。オルメドはデ杯「ワールドグループ」準決勝の対イタリア戦、決勝の対オーストラリア戦で全勝し、アメリカチームの優勝に貢献しました。この活躍は、彼の人気をさらに高めました。

1958年には、日本を訪れ全日本テニス選手権に出場。決勝ではハミルトン・リチャードソンに敗れ準優勝となりました。

1959年はオルメドにとって最高の年となりました。全豪選手権とウィンブルドン選手権のシングルスで優勝を果たし、4大大会年間2冠を達成。全豪選手権決勝ではニール・フレーザーを、ウィンブルドン選手権決勝ではロッド・レーバーをストレートで破るという快挙を達成しました。両大会とも、公式記録にはアメリカ代表として記載されていますが、彼はペルー人選手として初の4大大会優勝者となりました。しかし、同年8月のデビスカップ決勝ではオーストラリアに敗れ、全米選手権でもニール・フレーザーに敗れ、年間3冠獲得はなりませんでした。

ニール・フレーザーは、オルメドにとって最大のライバルの一人でした。両者は、4大大会で何度も激戦を繰り広げ、互いにしのぎを削りました。彼らのライバル関係は、テニス史において重要なエピソードとして語られています。

1960年にプロに転向した後も、オルメドはプロツアーで活躍を続けました。1987年には国際テニス殿堂入りを果たし、1999年にはアメリカ市民権を取得しました。

オルメドの活躍は、ペルーのテニス界に大きな影響を与えました。彼の功績は、後進の育成に大きく貢献し、ペルーテニス界の発展に繋がりました。彼が残した偉大な足跡は、これからも長く語り継がれていくでしょう。彼の名前は、テニス史に永遠に刻み込まれることでしょう。

4大大会優勝

全豪選手権 男子シングルス優勝：1959年
ウィンブルドン選手権 男子シングルス優勝：1959年
* 全米選手権 男子ダブルス優勝：1958年

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