アレッサンドロ・マエストリ

アレッサンドロ・マエストリ：イタリアから世界へ羽ばたいた野球人生

アレッサンドロ・マエストリ（Alessandro Maestri）は、1985年6月1日生まれのイタリア人元プロ野球選手です。右投げ右打ちの投手として、イタリア国内リーグから始まり、アメリカ合衆国のマイナーリーグ、独立リーグ、日本プロ野球、韓国プロ野球、メキシカンリーグ、そして再びイタリアリーグへと、グローバルなキャリアを歩みました。

イタリアでの始まりと国際舞台での活躍

マエストリ選手は、イタリアンベースボールリーグのT＆Aサンマリノでキャリアをスタートさせました。2006年には、第1回ワールド・ベースボール・クラシック（WBC）イタリア代表に選出され、クローザーとして活躍。この活躍が彼の海外挑戦へのきっかけとなります。

アメリカでの挑戦：マイナーリーグから独立リーグへ

WBC終了後、シカゴ・カブスとマイナー契約。2008年には、傘下チームであるデイトナ・カブスで先発として活躍し、フロリダ・ステートリーグのオールスターにも選出されました。さらに、AA級への昇格は、イタリア生まれイタリア育ちの選手としては史上初の快挙でした。2009年には、第2回WBCにもイタリア代表として出場。2011年にカブスを解雇された後、アメリカン・アソシエーションのリンカーン・ソルトドッグス、そしてオーストラリアン・ベースボールリーグのブリスベン・バンディッツでプレーしました。

日本プロ野球での活躍：オリックス・バファローズ時代

2012年、四国アイランドリーグplusの香川オリーブガイナーズを経て、オリックス・バファローズに入団。イタリア生まれイタリア育ちの選手としてはNPB史上初でした。オリックスでは、先発、ロングリリーフとして活躍し、2012年には貴重な勝利を挙げ、2014年にはチームのリーグ優勝争いに貢献しました。また、2013年の第3回WBCにもイタリア代表として出場しています。

マエストリ選手のオリックス時代は、日本での成功と同時に多くの困難も経験しました。一軍と二軍を行き来する日々、先発から中継ぎへの転向など、投球スタイルも変化を遂げました。それでも彼は持ち前の粘り強さで結果を残し続けました。

韓国、メキシコ、そしてイタリアへ

オリックス退団後は、韓国プロ野球のハンファ・イーグルス、ベースボール・チャレンジ・リーグの群馬ダイヤモンドペガサス、メキシカンリーグのベラクルス・レッドイーグルスでプレー。2017年には、再びイタリアンベースボールリーグのT＆Aサンマリノへ復帰し、2020年にはチームの優勝に貢献しました。さらに、オーストラリアのシドニー・ブルーソックスでもプレー経験があります。

引退後も野球界に貢献

2021年5月に現役引退を発表したマエストリ選手は、イタリアで妻と共にスポーツショップを経営しながら、野球界への貢献を続けています。2024年には、侍ジャパンとの対戦に臨む欧州選抜チームの投手コーチを務めるなど、指導者としての道を歩み始めています。

マエストリのプレースタイルと人物像

マエストリ選手は、平均球速142km/h、最速153km/hの速球と、スライダー、チェンジアップ、フォークを武器としていました。クローザー、先発、ロングリリーフと、様々な役割をこなせる器用さも持ち合わせていました。

イタリア語、英語、スペイン語に加え、日本での生活で日本語も習得するなど、語学堪能な一面も持ち合わせています。また、幕張で出会ったアルゼンチン出身の女性と結婚しています。

記録

NPB初登板・初先発登板・初勝利：2012年8月12日
NPB初完投勝利：2012年8月26日
* NPB初セーブ：2015年4月21日

アレッサンドロ・マエストリは、イタリアの小さな町から始まり、世界各地の野球場で活躍した稀有な存在です。彼のグローバルなキャリアは、多くの野球ファンに勇気と感動を与え続け、これからも野球界に貢献していくことでしょう。

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