アレン・M・サムナー (駆逐艦)

アレン・M・サムナー (DD-692): 太平洋戦線で活躍した駆逐艦の生涯

アレン・M・サムナーは、アメリカ海軍の駆逐艦であり、アレン・M・サムナー級駆逐艦の1隻です。その艦名は、第一次世界大戦で勇敢に戦ったアメリカ海兵隊大尉アレン・M・サムナーに由来しています。1943年7月7日、ニュージャージー州で起工され、同年12月15日に進水。1944年1月26日、正式に就役しました。

激動の第二次世界大戦

1944年3月、ニューヨーク海軍工廠での艤装を終えたアレン・M・サムナーは、バミューダ海域で整調訓練を実施。その後、信頼性試験を経て、5月にはヴァージニア州ノーフォークで乗員訓練を行いました。8月12日、太平洋戦線へと向かい、パナマ運河を通過。9月14日には真珠湾に到着し、本格的な訓練を開始しました。

11月29日、アレン・M・サムナーはフィリピンのサンペドロ湾に着任。レイテ湾のパトロール任務に就き、12月2日にはオルモック湾夜戦に参加することになります。この戦闘は、すでに敗色が濃厚となっていた日本軍が、フィリピンへ物資と兵員を輸送しようとしていた状況下で起こりました。アレン・M・サムナーは僚艦とともに、日本軍の輸送船団を撃滅すべく出撃しました。

その夜、アレン・M・サムナーはセブ島から発進した日本軍機の空襲を受けました。至近距離で爆弾が爆発し、船体に損傷、火災が発生。多くの乗員が負傷するも、アレン・M・サムナーは戦闘を継続しました。激しい砲戦の末、日本海軍の駆逐艦「桑」を撃沈するも、僚艦「クーパー」は雷撃を受け沈没してしまいました。アレン・M・サムナーは僚艦とともに、クーパーの生存者救助にあたりましたが、空襲と海岸からの砲火により、困難を極めました。

オルモック湾からの撤退後、サンペドロ湾で損傷の修理を行い、12月15日にはミンドロ島上陸作戦に参加。上陸支援部隊の対空防御を担当しました。その後も、ミンドロ島やサンペドロ湾への補給部隊の護衛任務に従事しました。

1945年に入っても、アレン・M・サムナーの活躍は続きます。1月にはルソン島上陸作戦に参加し、爆撃と火力支援を行いました。リンガエン湾での掃海作業中に日本軍特攻機の攻撃を受け、大きな損害を被りながらも、1月14日まで作戦を支援し続けました。その後、アメリカ本土へ修理のため帰還しました。

修理を終えたアレン・M・サムナーは、西海岸で駆逐艦乗員候補の訓練に従事。7月には西部太平洋へ再び向かい、8月15日の日本の降伏を迎えました。

冷戦時代の活躍

1962年10月には、キューバ危機においてキューバ封鎖に参加しました。

アレン・M・サムナーは、第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争での功績により、2個の従軍星章を受章しています。数々の激戦をくぐり抜け、その勇敢な戦いぶりは、アメリカ海軍の歴史に刻まれています。その名は、太平洋の戦火の中で散華した多くの将兵たちの記憶と共に、永遠に語り継がれることでしょう。

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