アングロ・オーストラリアン天文台

アングロ・オーストラリアン天文台（Anglo-Australian Observatory, AAO）は、オーストラリアのシドニーに本部を置く光学天文台です。1971年にレイトン・ホールディングスによって設立され、イギリスとオーストラリアの共同事業として運営されています。この天文台は、サイディング・スプリング天文台に隣接する場所に位置し、口径3.9mのアングロ・オーストラリアン望遠鏡（AAT）と口径1.2mのUKシュミット望遠鏡（UKST）という2基の主要な望遠鏡を運用しています。

アングロ・オーストラリアン天文台は、天文学の分野において重要な役割を果たしており、特に観測機器の開発と製作においてその名を知られています。AATとUKSTの運用に加え、ヨーロッパ南天天文台（ESO）の超大型望遠鏡（VLT）、さらにハワイのマウナケア天文台で使用される観測機器の開発も手掛けています。これらの活動を通じて、天文観測技術の進歩に大きく貢献しています。

また、AAOは天文学に光ファイバー技術を導入した先駆者としても広く認知されています。光ファイバーを使用することで、望遠鏡で捉えた複数の天体の光を個別の分光器に効率的に導くことが可能になりました。この技術革新により、限られた観測時間の中で同時に多数の天体を観測できるようになり、観測効率が大幅に向上しました。この革新的な技術は、後の天文学観測に大きな影響を与え、多天体観測の標準的な手法となりました。

アングロ・オーストラリアン天文台は、天文学研究において重要なデータを提供し続けています。特に、2dF銀河赤方偏移サーベイや2dFクェーサー赤方偏移サーベイなどのプロジェクトは、宇宙の大規模構造や銀河の進化に関する理解を深める上で不可欠な貢献をしています。これらのサーベイは、AAOの観測能力と光ファイバー技術の組み合わせによって実現したもので、天文学界において重要な成果として位置づけられています。

現在でも、AAOは最新の観測技術と機器の開発に積極的に取り組んでおり、天文学研究の最前線で活躍しています。その技術力と観測能力は、今後の天文学研究においても重要な役割を果たすことが期待されています。

関連する外部リンクとして、以下のものが挙げられます。

Anglo-Australian Observatory
2dF Galaxy Redshift Survey
* 2dF Quasar Redshift Survey

これらのリンクは、AAOの活動や過去のプロジェクトに関する詳細な情報を提供しています。

もう一度検索