サイディング・スプリング天文台

サイディング・スプリング天文台：オーストラリアの星空を彩る観測拠点

サイディング・スプリング天文台は、オーストラリア連邦ニューサウスウェールズ州、クーナバラブラン近郊のウォーランブル山地にある天文台です。標高1165mに位置し、オーストラリア国立大学（ANU）が運営する二つの天文台の一つとして、天文学研究において重要な役割を果たしています。もう一つの天文台はキャンベラのストロムロ山天文台です。

歴史

ストロムロ山天文台の歴史は1924年に連邦政府によって設立されたことに始まります。当初は太陽系の研究を行っていましたが、第二次世界大戦の影響で光学部材が軍に拠出されたため、1940年代末には星の研究へと方向転換しました。1953年から1974年にかけては、オーストラリア最大の口径74インチの反射[[望遠鏡]]がストロムロ山に設置されました。

1950年代に入ると、キャンベラの光害が深刻化し、ストロムロ山での微光天体の観測が困難になってきました。そこで、1962年にANUは、他の候補地と比較して暗く、晴天日数が多いサイディング・スプリングを選定しました。1960年代半ばからは、3基の望遠鏡、舗装路、宿舎、電気、水道などの支援施設が整備されました。1984年には、ボブ・ホーク首相の臨席のもと、ANU最大の望遠鏡である2.3m開口望遠鏡が開設されました。この望遠鏡は低コストで革新的な設計が特徴です。

サイディング・スプリングの開発は、1950年代から独立して進められてきました。オーストラリアとイギリスの政府は、大型望遠鏡の設置について交渉を重ね、1969年には4m開口のアングロ・オーストラリア望遠鏡（AAT）の設置が決定されました。1970年代初頭には、AAT建設中に、イギリス科学研究学会がAATドームの北東1km地点にUKシュミット式[[望遠鏡]]を建設しました。この望遠鏡により、広範囲の掃天観測がより迅速に行われるようになり、興味深い天体の発見とその詳細な調査が、両望遠鏡の連携によって行われるようになりました。1987年には、シュミット式[[望遠鏡]]はAATに合併されました。

観測施設

サイディング・スプリング天文台には、以下のような主要な望遠鏡が設置されています。

アングロ・オーストラリアン望遠鏡（AAT）
サイディング・スプリング2.3m望遠鏡
UKシュミット望遠鏡
サイディング・スプリング40インチ望遠鏡
サイディング・スプリング24インチ望遠鏡
ファウルクス望遠鏡南

これらの望遠鏡は、様々な観測目的に対応できるよう設計されており、天文学研究において重要な役割を果たしています。

その他の情報

[小惑星] Siding Springは、サイディング・スプリング[天文台]]にちなんで命名されました。また、小惑星] UKSTUは、UKシュミット[[望遠鏡にちなんで命名されました。

アクセスと観光

サイディング・スプリング天文台には、ギャラリーや土産店も併設されており、観光客も訪れることができます。

外部リンク

Siding Spring Observatory （英語）

まとめ

サイディング・スプリング天文台は、オーストラリアの天文学研究において重要な役割を果たしており、数々の発見に貢献してきました。歴史的な背景、設置されている望遠鏡、そしてその周辺環境は、天文学研究者だけでなく、一般の人々にとっても興味深いものです。今後も、この天文台から新たな宇宙の謎が解き明かされることが期待されます。

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