アンゴラ内戦

アンゴラ内戦の概要

アンゴラ内戦（1975年～2002年）は、アフリカ南部のアンゴラで発生した長期にわたる内戦で、異なる政治勢力間の争いが国際的な大国の介入を引き起こしました。この内戦は、冷戦下の米ソ対立が大きな影響を与えた米ソ代理戦争の典型例となりました。主に、ソ連、キューバ、SWAPOによるMPLAと、アメリカ、南アフリカ、ザイール、中華人民共和国によるUNITAとFNLAの対立になります。

発端

アンゴラが独立を目指し武力闘争が始まったのは1961年のことです。そして1975年、3つの独立運動組織、すなわちアンゴラ解放人民運動（MPLA）、アンゴラ民族解放戦線（FNLA）、そしてアンゴラ全面独立民族同盟（UNITA）が独立に向けた協定に調印しました。これにより、ポルトガルとの間に休戦が成立しましたが、内戦の火種は消えていませんでした。

当時、MPLAはのちにソ連やキューバからの支援を受けており、首都ルアンダを掌握していました。しかし、これに対抗する形でアメリカがFNLAを支援し、その後UNITAにも支援を開始します。アメリカの支援を受けた南アフリカがアンゴラに侵攻する中、キューバはMPLAを支援するために400人の軍事顧問団を派遣しました。

1975年11月には、MPLAが「アンゴラ人民共和国」を宣言し、UNITAやFNLAは「アンゴラ民主人民共和国」を名乗り、複数の勢力による争いへと突入しました。南アフリカによるMPLA政権への侵攻が続く中、MPLAは最大限の抵抗を見せました。

経過

内戦の最中、UNITAはアメリカや南アフリカの強力な支援を受けてゲリラ活動を展開し、1990年代初頭にはキューバ軍と交戦する大規模な戦闘も発生しました。特に1987年から1988年にかけて行われたクイト・クアナヴァレの戦いは、大規模な爆撃や地上戦が繰り広げられ、アフリカ大陸での戦闘の象徴とされました。一方で、FNLAは1984年には降伏し、その影響力を失っていきます。

冷戦が終結し、停戦の気運が高まる中、1991年にはMPLAとUNITAの間で和平合意が成立し、1992年には新憲法も制定されました。しかし、UNITAは選挙の不正を理由に武装を解かなかったため、再び内戦へと逆戻りしました。その後は国際政治の変化とともに、内戦の様相は資源を巡る争いに変わり、MPLAは北部の石油、UNITAは南部のダイヤモンドを資金源としました。

1997年、UNITAを支援していたザイールが変化を迎え、UNITAは資金源を失いました。2002年にはUNITAの指導者であるジョナス・サヴィンビが暗殺され、これが内戦終結の契機となりました。

影響

この内戦は、360万人以上の死者を出し、国土には地雷が多数残されるという深刻な影響をもたらしました。内戦終結後も、アンゴラが抱える課題は多く、新しい社会の構築には時間を要することが求められています。

国連の役割

国連はこの内戦に対しても多くの活動を行いました。1989年から1991年には第一次国際連合アンゴラ検証団（UNAVEM I）、続いて1991年から1995年にかけて第二次国際連合アンゴラ検証団（UNAVEM II）が活動し、1997年から1999年には国際連合アンゴラ監視団（MONUA）が展開されました。これらの国連の活動が、内戦の終結に寄与したことは否定できません。

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