アンジュ＝フェリクス・パタセ

アンジュ＝フェリクス・パタセ：中央アフリカ共和国初の民主的選挙で選ばれた大統領

アンジュ＝フェリクス・パタセ（Ange-Félix Patassé, 1937年1月25日 - 2011年4月5日）は、中央アフリカ共和国の政治家であり、1993年から2003年まで同国の大統領を務めました。彼は、中央アフリカ共和国史上初めて民主主義的な選挙によって選出された大統領として知られています。

生涯

ボカサ政権下での台頭

パタセは、フランス領ウバンギ・シャリ植民地のパウアで生まれ、フランスで農学を修めました。帰国後、ダッコ大統領の下で農業検査官に就任。1966年にボカサがクーデターで政権を握ると、ボカサの妻の従兄弟であったことから信任を受け、閣僚を歴任しました。ボカサが中央アフリカ帝国を建国すると、パタセは首相に任命されましたが、後に辞任しました。

野党リーダーとしての活動

ダッコ政権が再び成立すると、パタセは中央アフリカ人民解放運動 (MLPC) を結成し、大統領選に立候補。彼は選挙の不正を訴え、ダッコと対立しました。コリンバがクーデターを起こすと、パタセは反政府運動を行い、クーデターを試みましたが失敗し、亡命を余儀なくされました。

大統領就任と多発するクーデター

複数政党制が認められるとパタセは帰国し、1993年の選挙で大統領に就任しました。彼は自らの出身である北部の人間を政府内に登用しましたが、これが南部人の反感を買いました。また、公務員の給与遅配・未払いが頻発し、その改善を求めるクーデターが多発しました。彼は、給与未払いによるクーデターや反乱に直面し、その鎮圧のために奔走しました。多国籍軍の派遣や国際連合中央アフリカ共和国ミッションへの移行など、国際社会の支援も得ながら、事態の収拾を図りました。

再選と内紛、そして失脚

1999年に再選を果たしたものの、経済状況は改善されず、2001年には再びクーデターが勃発。コンゴ民主共和国の反政府勢力の助けによって鎮圧されましたが、ボジゼとの間に不和が生じ、両派の衝突が続きました。2003年、パタセが外遊中にボジゼが首都を掌握し、彼は亡命を余儀なくされました。

その後

亡命後、パタセは戦争犯罪として国際刑事裁判所に書類送検され、捜査が開始されました。復権を目指していましたが、2011年にカメルーンで病死しました。

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