アンソニー・マコーリフ

アンソニー・クレメント・マコーリフは、1898年7月2日にワシントンD.C.で生まれ、1975年8月11日に亡くなったアメリカ合衆国の軍人です。彼は最終的に陸軍大将まで昇進し、その軍歴の中で特に第二次世界大戦のバルジの戦いにおける活躍で知られています。

マコーリフは、1918年にアメリカ陸軍士官学校を卒業後、少尉に任官しました。1944年6月のノルマンディー上陸作戦では、第101空挺師団の砲兵指揮官としてパラシュート降下し、作戦に参加しました。同年12月、バルジの戦いにおいて、師団長が不在の間、マコーリフは第101空挺師団および配下の部隊の代理指揮官を務めることになりました。

バストーニュの戦いでは、ドイツ軍が12月21日に同地を包囲し、降伏を勧告しました。この時、マコーリフはドイツ軍の使者に対し、「Nuts!」と一言で回答しました。この返答は、当初は彼の個人的な感情を表現したものでしたが、周囲の人間が状況をよく表していると判断し、公式回答として採用されました。副官がその言葉をタイプし、ドイツ軍に伝えました。この「Nuts!」という言葉は、彼の不屈の精神を象徴するものとして、後世にまで語り継がれることになりました。

第4装甲師団が到着するまで、第101空挺師団はドイツ軍の包囲を耐え抜き、その功績により、マコーリフは殊勲十字章を授与されました。複数の記事によると、降伏勧告を受けた際、マコーリフは「Aww, nuts」と答えたとも伝えられています。また、1954年のインタビューでは、実際には「shit」と答えたと語っています。しかし、公式記録としては「Nuts!」が彼の回答として記録されています。

戦後、マコーリフは陸軍化学部隊の指揮官など様々な役職を歴任し、1953年には第7軍の指揮官としてヨーロッパに戻りました。1955年には在欧アメリカ陸軍最高司令官に就任し、そのキャリアの頂点を迎えました。1956年に軍を退役した後、サイアナミッド株式会社で勤務し、1960年から63年までニューヨーク州市民防衛委員会の議長を務めました。

マコーリフは、1975年にメリーランド州チェビー・チェイスで亡くなり、アーリントン国立墓地に妻、息子、娘と共に埋葬されました。彼は、その勇敢な行動と不屈の精神で、アメリカ軍の歴史に名を刻んだ人物として、今日でも広く知られています。

マコーリフの受章した栄典は以下の通りです。
殊勲十字章
陸軍殊勲章
銀星章
レジオン・オブ・メリット
* 青銅星章

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