アンソニー・ミンゲラ

アンソニー・ミンゲラ：映画界に輝きを放った才能

アンソニー・ミンゲラ（Anthony Minghella, 1954年1月6日 - 2008年3月18日）は、イギリスのワイト島で生まれ、映画監督、脚本家、そして映画プロデューサーとして、その多才ぶりを発揮しました。彼の作品は、繊細な人間描写と美しい映像で高く評価され、映画史にその名を刻んでいます。

生い立ちとキャリアの始まり

イタリア人とスコットランド人の血を引くミンゲラは、幼い頃から芸術に囲まれた環境で育ちました。ハル大学卒業後、舞台の世界でキャリアをスタートさせ、脚本家としての才能を開花させます。1984年には、舞台『Made In Bangkok』でロンドン劇場批評家賞脚本賞を受賞し、その実力を広く認められました。

映画監督としての成功

1991年、ミンゲラは『愛しい人が眠るまで』で映画監督としてデビュー。英国アカデミー賞脚本賞を受賞し、映画界での地位を確立します。そして1996年、マイケル・オンダーチェの小説を映画化した『イングリッシュ・ペイシェント』で、アカデミー監督賞を受賞。作品自体も作品賞を含む9部門を制覇し、世界的な成功を収めました。その後も、『リプリー』（1999年）でアカデミー脚色賞にノミネートされるなど、その才能は衰えることを知りませんでした。

多岐にわたる活躍

ミンゲラは、監督業だけでなく、プロデューサーとしても数々の作品を手がけました。『アイリス』（2001年）、『愛を読むひと』（2008年）など、質の高い作品を世に送り出し、映画界に貢献しました。また、脚本家としても、『ストーリーテラー』（1985年）、『モース警部シリーズ』（1987年 - 1990年）など、テレビドラマの分野でも才能を発揮しました。

私生活と死

ミンゲラは、香港出身の振付師カロリン・チョアと結婚し、二人の子供をもうけました。息子マックスは俳優として、娘ハンナは映画業界で活躍しています。彼はポーツマスFCの熱狂的なサポーターとしても知られていました。

2008年3月18日、ミンゲラは癌手術後の合併症により、54歳という若さでこの世を去りました。彼の死は、映画界に大きな悲しみをもたらしました。

死後の評価

ミンゲラの死後、彼がプロデューサーとして関わった『愛を読むひと』がアカデミー作品賞にノミネートされました。共同プロデューサーだったシドニー・ポラックも故人であり、二人の追悼票を促したという逸話も残っています。

主要作品

監督作品
愛しい人が眠るまで (1991)
最高の恋人 (1993)
イングリッシュ・ペイシェント (1996)
リプリー (1999)
コールド マウンテン (2003)
こわれゆく世界の中で (2006)
No.1レディーズ探偵社 (2008) - テレビシリーズ
製作作品
アイリス (2001)
ヘヴン (2002)
愛の落日 (2002)
ザ・インタープリター (2005)
輝く夜明けに向かって (2006)
愛を読むひと (2008)
マーガレット (2011)
脚本作品
ストーリーテラー (1985) - テレビシリーズ
モース警部シリーズ (1987-1990) - テレビシリーズ
ニューヨーク、アイラブユー (2009)
* NINE (2009)

アンソニー・ミンゲラの作品は、これからも多くの人々に感動を与え続けるでしょう。

もう一度検索