ポーツマスFC

ポーツマス・フットボール・クラブ

ポーツマス・フットボール・クラブ（Portsmouth FC）は、イギリス・ハンプシャー州ポーツマスを本拠地とするプロサッカークラブです。クラブはEFLリーグ1に所属し、愛称は「ポンペイ」と呼ばれています。ポーツマスFCはサウサンプトンFCとの対戦をサウスコースト・ダービーとし、地域のサッカーファンにとって特に重要な試合です。

クラブの歴史

ポーツマスFCの歴史は1850年代まで遡り、港町としての特性を活かして地元で親しまれてきました。1898年、ビール工場のオーナーであったジョン・ブリックウッドの尽力でクラブが設立され、1899-1900シーズンからサザンフットボールリーグに参加しました。1920-21シーズンにはプロリーグ3部に昇格し、その後1926-27シーズンには1部昇格を果たしました。1938-39シーズンにはFAカップを制し、当時のクラブの栄光を証明しました。

黄金時代と低迷

1940年代後半の連覇でクラブは絶頂を迎えましたが、その後は低迷期が続きました。1958-59シーズンに2部降格を経験し、1960-61シーズンには3部降格。その後の数十年は昇格と降格を繰り返し、安定した成績が得られない状況でした。1990年代から2000年代初頭にかけては、監督交代が続いたことも影響し、クラブは苦しむ時代に突入します。

2002年にはハリー・レドナップ監督が就任し、主力選手の活躍と共に見事に昇格を果たしました。このシーズンにレドナップの指導を受けたスヴェトスラフ・トドロフが得点王に輝くなど、再び盛り上がりを見せました。

新たな挑戦と危機

2006年から2008年にかけてはクラブの財政状況が悪化し、度重なるオーナー変更や負債に苦しむこととなります。特に2009年にはプレミアリーグ史上初の倒産を経験し、多くの選手が給与未払いとなるなど厳しい状況に置かれました。しかし、ファンによる支援や「ポンペイ・サポーターズ・トラスト」の設立がクラブへの救いとなります。サポーターが主体となったオーナーシップの実現は、新たな希望をもたらしました。

その後、ポーツマスFCは再建への道を歩み、2014年には700万ポンドの負債返済が完了。2023-24シーズンにはリーグ1で優勝を果たし、12年ぶりのチャンピオンシップ復帰を遂げました。

個性的な存在

ポーツマスFCは独自の文化も持っています。特に「ポーツマスおじさん」と称されるサポーターは、ホームゲームの際に全身青色の衣装で現れ、青い鐘を鳴らして応援することが名物とされています。このユニークな存在は試合の風景に彩りを添えています。元々フットボールクラブの初代ゴールキーパーだったアーサー・コナン・ドイルも、ポーツマスにゆかりのある著名人の一人です。

ポーツマスFCは、地域の誇りや伝統を強く持ちながら、今後もその歴史を紡ぎ続けていくことでしょう。ファンと共に歩む姿勢は、彼らに愛される理由の一つであり、サッカー文化に深く根ざした存在感を誇示しています。

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