アンソニー・メイソン

アンソニー・メイソン：屈強な肉体と巧みな技術を併せ持った名プレイヤー

アンソニー・ジョージ・ダグラス・メイソン（Anthony George Douglas Mason）は、1966年12月14日にアメリカ合衆国フロリダ州マイアミで生まれ、2015年2月28日に48歳の若さでこの世を去った元プロバスケットボール選手です。主にNBAのニューヨーク・ニックスなどで活躍し、屈強な体格とタフなディフェンス、そして意外性のある巧みなパスで多くのファンを魅了しました。

NBA入りの苦労とニックスでの開花

大学卒業後、1988年のNBAドラフトでポートランド・トレイルブレイザーズから指名を受けたものの、入団前に解雇。その後はトルコ、ベネズエラ、CBA、USBLといった様々なリーグを渡り歩き、NBA入りを目指す苦労の日々を送ります。1989年にニュージャージー・ネッツと契約するも出場機会は限られ、翌年デンバー・ナゲッツへ移籍しますが、わずか3試合の出場に終わりました。

しかし、1991年にニューヨーク・ニックスへ移籍したことが、メイソンのキャリアを大きく変えることになります。パット・ライリー監督に見出されたメイソンは、パトリック・ユーイング、チャールズ・オークリーらと共に強固なフロントコートを形成。シカゴ・ブルズとの激しい戦いは「バッドボーイズⅡ」と称されるほどでした。1994年にはニックスを1973年以来のNBAファイナル進出に導きましたが、ヒューストン・ロケッツに敗れ、優勝はなりませんでした。この時期にはシックスマン賞も受賞しています。

ホーネッツでのキャリアハイとヒートでの活躍

1996年、シャーロット・ホーネッツへ移籍したメイソンは、1996-97シーズンに平均16.2得点、11.4リバウンド、5.7アシストとキャリアハイの成績を記録し、4度のトリプルダブルも達成しました。その後、2000年にはマイアミ・ヒートへ移籍し、再びパット・ライリー監督の下でプレーすることになります。アロンゾ・モーニングの離脱後にはチームの中心として活躍し、ヒートをプレーオフ進出に導き、自身もオールスターゲームに初選出されました。

晩年と早すぎる死

2001-2002シーズンにミルウォーキー・バックスへ移籍しますが、チームに馴染めず、2シーズンでチームを去り、そのまま現役を引退しました。2015年2月28日、心不全により48歳の若さで急逝。多くのファンが彼の死を悼みました。

プレースタイルと人物像

201cmと上背こそありませんでしたが、屈強な体格を生かしたパワーフォワードとしてのプレーと、リーグ屈指のタフなディフェンダーとして知られていました。また、強面な外見とは裏腹に、巧みなパスセンスとボールハンドリング技術も持ち合わせていました。坊主頭に奇抜な剃り込みを入れたヘアスタイルもトレードマークでした。

受賞歴

1995年：シックスマン賞
1997年：オールNBA3rdチーム
1997年：オールNBAディフェンシブ2ndチーム
2001年：オールスターゲーム出場

その他

テレビドラマや映画にも出演
ビースティ・ボーイズの楽曲に登場
左利きだが、右手でのダンクも得意
フリースローは苦手

アンソニー・メイソンは、決してエリート街道を歩んだ選手ではありませんでしたが、持ち前の努力と才能でNBAの舞台で輝きを放ちました。そのプレースタイルと個性的なキャラクターは、多くのファンの記憶に残っています。

もう一度検索