アンタルヤ・トラム

アンタルヤの路面電車：歴史と未来が交差する都市交通

トルコ・アンタルヤの路面電車は、歴史と近代が融合した魅力的な交通システムです。現在、2種類の路面電車が運行されており、いずれもアンタルヤ交通石油商業公社によって運営されています。

ノスタルジア（Nostalji）：地中海の風を感じるレトロな旅

1999年2月27日に開通したノスタルジアは、全長5kmの路面電車路線で、アンタルヤ博物館を含む10ヶ所の停留所があります。地中海沿いを走るこの路線は、歴史的建造物や観光名所を巡る風光明媚な旅を提供しています。

車両は、アンタルヤの姉妹都市であるドイツ・ニュルンベルクの旧型電車を譲り受けたもので、主に電動車と付随車を連結した2両編成で運行されています。レトロな雰囲気と沿線の美しい景色は、観光客に人気です。現在、T2号線として運行されています。

アントレイ（ANTRAY）：未来へ向かう快適な移動

アントレイは、2009年12月25日に最初の路線が開通した超低床電車を用いた近代的なライトレール路線です。「アントレイ」は、アンタリア大都市圏自治体ライトレールシステムプロジェクトの略称です。

2016年には、T1号線の延伸により、エキスポ電停とアンタルヤ空港への直通線が実現しました。さらに2019年8月11日には、アンタルヤ中心部と北部を結ぶT3号線が開通しました。T3号線は現在孤立した路線ですが、今後の延伸により、T1号線と地下のオトガー駅、T2号線（ノスタルジア）と博物館電停で接続する予定です。

現在、T1号線とT3号線の3系統が運行されており、T1号線は空港とエキスポ電停への路線があります。

車両は、スペインのCAF製の超低床電車「ウルボス」14両と、トルコ・韓国合資企業であるユーロテム製の超低床電車18両（2019年時点）の計32両が使用されています。T3号線の延伸などを見据え、最大47両まで増備計画があります。

未来への展望：更なる発展とノスタルジアの保存

ノスタルジアで使用されている旧型電車は老朽化が進み、維持費用の高騰や部品不足が課題となっています。しかし、T3号線の延伸完了後、ノスタルジア（T2号線）も高規格のライトレールへと転換される予定です。旧型電車は解体されずに保存されることになっています。

アンタルヤの路面電車は、歴史的価値と近代的な技術が調和した、魅力的な都市交通システムです。今後の延伸や車両更新により、さらに発展し、市民と観光客にとってより便利で快適な移動手段となることが期待されています。

もう一度検索