アンダーソン・ヴァレジャオ

アンダーソン・ヴァレジャオ：不屈の精神でファンを魅了したブラジル出身のバスケットボール選手

アンダーソン・ヴァレジャオ（Anderson Varejão）は、1982年9月28日生まれのブラジル出身の元プロバスケットボール選手です。NBAのクリーブランド・キャバリアーズを中心に、ゴールデンステート・ウォリアーズなどでも活躍しました。パワーフォワード/センターをポジションとし、その献身的なプレースタイルと愛される人柄で、多くのファンを魅了しました。

プロキャリアの幕開けとNBAへの挑戦

ヴァレジャオは、地元のクラブでプロとしてのキャリアをスタートさせ、その後FCバルセロナでユーロリーグ優勝を経験するなど、ヨーロッパでも実績を積みました。2004年のNBAドラフトでは、オーランド・マジックから2巡目30位で指名を受けましたが、直後にクリーブランド・キャバリアーズへトレードされ、NBAでの挑戦が始まりました。

クリーブランド・キャバリアーズでの活躍

キャバリアーズでは、リバウンドやルーズボールへの積極的な姿勢、そして体を張ったディフェンスで、チームに貢献しました。特に、相手のオフェンスファウルを誘うテイクチャージを得意とし、その技術はNBAでもトップクラスと評されました。観客を沸かせるハッスルプレーは、チームに勢いをもたらし、ファンからの人気も高かったです。

しかし、2014-15シーズンには左足アキレス腱断裂という重傷を負い、長期離脱を余儀なくされました。その後も怪我に苦しみ、出場機会が減少してしまいます。

ゴールデンステート・ウォリアーズへの移籍と古巣との対決

2016年2月、ヴァレジャオはキャバリアーズからポートランド・トレイルブレイザーズへ放出され、その後ゴールデンステート・ウォリアーズと契約しました。ウォリアーズでは、同じブラジル出身のリアンドロ・バルボサとのコンビでプレーし、チームのNBAファイナル進出に貢献。ファイナルの相手は、古巣のキャバリアーズでした。ウォリアーズは3勝1敗と王手をかけましたが、その後キャバリアーズに3連敗を喫し、優勝を逃しました。ヴァレジャオは、皮肉な形で古巣の優勝を見届けることとなりました。

キャバリアーズから優勝リングを受け取る権利がありましたが、ウォリアーズの一員としてシーズンを終えたため、リングを受け取るつもりはないと明言しました。しかし、シーズン終了後、ウォリアーズはチーム内投票によってバレジャオにリングを贈呈することを決定し、初の優勝リング授与となりました。

キャバリアーズへの復帰と引退

2018年以降は母国リーグでプレーしていましたが、2021年5月、キャバリアーズと10日間契約を結び、NBAに電撃復帰を果たしました。その後、2度目の10日間契約を経て、現役を引退しました。

ブラジル代表としての貢献

ヴァレジャオは、ブラジル代表としても長年にわたり活躍しました。2006年のバスケットボール世界選手権（日本開催）にも出場しましたが、対ギリシャ戦でのプレーが物議を醸す場面もありました。

プレースタイルと評価

ヴァレジャオは、ディフェンスでの貢献度が高く、数字には表れない泥臭いプレーを厭わない選手でした。テイクチャージの名手として知られ、ポジショニングの良さと演技力はNBA随一と言われました。ハッスルプレーが持ち味で、カーリーヘアーを揺らしながらボールに食らいつく姿は、多くのファンを魅了しました。

エピソード

2006年2月21日には、キャバリアーズの本拠地で「ヴァレジャオの日」が設けられ、ファンがヴァレジャオを模したカツラをかぶって応援しました。この日、20,562人がカツラをかぶり、「一会場で最も多くカツラをかぶった人数」としてギネスブックに登録されました。
NBAファイナルに進出する2チームの両方に同一シーズン中に所属しプレーしたのは、ヴァレジャオが史上初の選手です（2015-16シーズン、キャバリアーズとウォリアーズ）。

アンダーソン・ヴァレジャオは、その不屈の精神と献身的なプレースタイルで、多くの人々に感動を与えました。彼の活躍は、これからもバスケットボールファンの記憶に残り続けるでしょう。

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