アンティグア・バーブーダ国防軍

アンティグア・バーブーダ国防軍（ABDF）

アンティグア・バーブーダ国防軍（Antigua and Barbuda Defence Force、ABDF）は、アンティグア・バーブーダの軍事組織です。

概要

国防軍は首相の指揮下、国防大臣を通じて文民統制を受けています。国防省の管轄下に、陸軍に相当する大隊、沿岸警備隊、援軍部隊、軍事教育団が置かれています。

主な任務は以下の通りです。

国土防衛
麻薬密輸の防止
漁業権の保護と支援
海洋汚染の防止
捜索救難
儀礼式典
政府による政策の援助
災害救助
重要施設の保守
法執行機関への援助（秩序維持のため）

イギリス陸軍のメルシャン連隊と提携関係にあります。

2007年時点での総兵力は190名、予備役は98名で、予備役を含めても288名という世界最小規模の軍隊の一つです。ただし、バチカンのスイス衛兵隊（119名）はより小規模ですが、警察部隊に分類されることが多いため、軍隊としてはABDFが最小規模と言えるでしょう。

組織構成

国防省の下に安全保障委員会が設置され、国防軍本部が軍全体を統括しています。

陸軍

アンティグア・バーブーダ連隊は、国防軍の主要な構成要素です。約125名の人員で構成され、連隊本部と第1大隊からなります。第1大隊は4個中隊で構成されています。

本部中隊：司令部
A中隊：軽歩兵
B中隊：予備役
C中隊：戦闘支援

創設以来、軽歩兵部隊としての性格を有していましたが、近年では国際活動、対テロ作戦、対麻薬作戦への対応能力向上のため、沿岸警備隊の支援や即応能力を持つ「海兵隊」（特殊作戦部隊）への改編が進められています。

支援部隊

1997年に設立され、工兵支援や兵站管理を担当しています。

沿岸警備隊

海上における軍事力の主要部門です。司令官室、施設隊、管理隊、小艇隊の4部門で構成され、セントジョンズに基地を置いています。

航空団

2022年4月12日に新設されました。VCバード国際空港に格納庫を有し、ブリテン・ノーマン アイランダー1機とパイパー31ナバホ1機を保有しています。

軍事教練団

国立士官候補生学校をはじめ、国防軍全体の教育訓練を担当しています。

駐留外国軍

アメリカ戦略軍がアンティグア島に戦略探知追跡レーダー施設を設置しています。

装備

艦艇

2011年6月時点の情報です。

SWIFT 65feet型沿岸警備艇×1
Liberta (P01) - 1984年
Dauntless級沿岸警備艇×1
Palmetto (P02) - 1995年
その他
ボート×3 (CG081, CG071-072)
ゾディアック×1 (CG091)

航空機

ブリテン・ノーマン アイランダー × 1
パイパー31ナバホ × 1

参考文献

Christopher Langton, Military Balance 2007, Routledge

関連項目

地域安全保障システム
グレナダ侵攻

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