地域安全保障システム

地域安全保障システム（RSS）とは

地域安全保障システム（Regional Security System、RSS）は、東カリブ海地域における安全保障協定です。1970年代後半から1980年代前半にかけて、地域の安定を脅かす軍事的脅威への集団的対応の必要性が高まり、1982年に設立されました。

主な活動内容

RSSは、加盟国の軍事力が小規模である、または軍隊を持たない国が多いという特徴から、伝統的な軍事作戦だけでなく、国内の治安維持や警察任務の補助にも力を入れています。具体的な活動内容としては、以下のものが挙げられます。

刑務所での暴動鎮圧
違法栽培されている麻薬植物の除去
自然災害（ハリケーンなど）発生時の捜索救助活動
インフラの復旧作業

1983年のグレナダ侵攻では、アメリカ軍と共に介入した実績もあります。

加盟国

現在の加盟国は以下の7か国です。

セントクリストファー・ネイビス
アンティグア・バーブーダ
ドミニカ国：軍隊は保有していませんが、沿岸警備隊と特殊部隊を含むドミニカ国警察隊（警察軍）を保有しています。
セントルシア：軍隊は保有していませんが、沿岸警備隊と特殊部隊を含む王立セントルシア警察隊（警察軍）を保有しています。
バルバドス
セントビンセント・グレナディーン：軍隊は保有していませんが、王立セントビンセント・グレナディーン警察隊（警察軍）と沿岸警備隊を保有しています。
グレナダ：グレナダ侵攻終結後に加盟。軍隊の代わりに王立グレナダ警察隊（警察軍）と沿岸警備隊を保有しています。
ガイアナ

小規模国の安全保障協力の重要性

RSSは、軍事力に限りのある小規模国家が、互いに協力し合うことで、地域全体の安全保障を強化できることを示しています。自然災害が頻発するカリブ海地域において、災害救援活動での協力は不可欠であり、RSSはその重要な役割を担っています。また、犯罪の取り締まりや、地域の安定を脅かすあらゆる問題に対して、加盟国が連携して対処することで、より安全で安定した地域社会の実現に貢献しています。

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