アンティークシンバル

アンティークシンバル（サンバルアンティーク）について

アンティークシンバル、またはサンバルアンティークは、体鳴楽器に分類される打楽器の一種です。外見は小型のシンバルに似ていますが、その音色は全く異なります。直径は数cmから十数cm程度で、通常のシンバルと比較して、小さくとも厚みがあるのが特徴です。数mmの厚さがあり、これにより非常に高く澄んだ音色を奏でることができます。また、音の高さを明確に聞き取れる点も特徴です。

演奏方法

本来の演奏法は、同じ音が出る2枚のアンティークシンバルを用意し、それぞれの中央に紐を通して、楽器の縁同士を打ち合わせて演奏します。しかし、現代では1枚のシンバルを使用し、凹面を上にして中央を軽く固定し、木琴のマレットなどで打つ方法が一般的です。この方法では、鉄琴のように音階を並べて演奏することができ、旋律を奏でることも可能です。

名称について

アンティークシンバルは、クロタルあるいはクロテイル（crotale）とも呼ばれることがあります。この名称は古代ギリシア語のクロタロン(κρόταλον)に由来しますが、本来クロタロンはカスタネットのように片手で持って鳴らす楽器を指します。

代用楽器

アンティークシンバルが用意できない場合、グロッケンシュピールで代用されることがあります。

使用例

アンティークシンバルは、その独特の音色から、様々なジャンルの音楽で使用されています。以下に代表的な楽曲を挙げます。

クラシック音楽

ベルリオーズ：ロメオとジュリエット
ドビュッシー：牧神の午後への前奏曲
ストラヴィンスキー：春の祭典、結婚
ラヴェル：ラ・ヴァルス
ライヒ：テヒリーム
諏訪雅彦：16世紀のシャンソンによる変奏曲（2009年度全日本吹奏楽コンクール課題曲）
八木澤教司：モアイ　～太陽を見つめる七体の巨像
谷地村博人：きみは林檎の木を植える (2014年度全日本吹奏楽コンクール課題曲)
石井眞木：日本太鼓とオーケストラのための「モノプリズム」
武満徹：雨の樹、フロム・ミー・フローズ・ホワット・ユー・コール・タイム
ヴァン・デル・ロースト：スパルタクス

ロック音楽

ラッシュ：YYZ（冒頭のソロ）

参考資料

* 『打楽器事典』5頁、音楽之友社、網代景介・岡田知之著、1981年

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