アンディ・クルス

アンディ・クルス：キューバが生んだアマチュア界の至宝、プロでも輝きを放つ

アンディ・クルス（Andy Cruz）は、1995年 8月12日にキューバのマタンサス州で生まれた、現代ボクシング界を代表する選手の一人です。特にアマチュア時代には圧倒的な強さを見せつけ、数々の国際大会で頂点に立ちました。そのキャリアは、東京オリンピックでの金メダル獲得という輝かしい実績で最高潮に達し、プロ転向後も無敗を維持し、新たな歴史を刻み続けています。

アマチュアボクシングでの比類なき戦績

クルスは、アマチュア時代を通じて149戦を戦い、驚異的な140勝9敗という卓越した戦績を残しました。彼の技術とスピードは多くの対戦相手を圧倒し、世界の舞台でその名を轟かせます。

- 2017年9月、ドイツで開催されたAIBA世界ボクシング選手権のライトウェルター級（64kg）で、初めての金メダルを獲得しました。
- 2019年には、パンアメリカン競技大会（リマ）と世界ボクシング選手権（エカテリンブルク）の両大会で、再びライトウェルター級の金メダルに輝きました。特にこの年の世界選手権決勝では、後にプロでも対戦することになるキーショーン・デービスに5-0の判定で完勝しています。
- そして、彼のキャリアにおける最大のハイライトは、2021年8月に開催された東京オリンピックでした。階級をライト級（63kg）に変更して出場したクルスは、決勝で再びキーショーン・デービスと相まみえ、4-1の判定で見事勝利。オリンピックの金メダルというボクサーにとって最高の栄誉を手にしました。
- 東京オリンピック後も、同年11月のAIBA世界ボクシング選手権（ベオグラード）でライトウェルター級の金メダルを獲得するなど、その強さは揺るぎないものでした。

アマチュアでの成功を通じて、クルスは世界中のボクシングファンから「キューバの至宝」として称賛されるようになりました。

プロへの転向と快進撃

アマチュアでのキャリアを成功裏に終えたクルスは、2023年5月に大手プロモーションであるマッチルーム・スポーツ・USAと契約を結び、プロの舞台へと進出しました。彼のプロキャリアは、アマチュア時代に勝るとも劣らない華々しいスタートを切ります。

- 2023年7月15日、デトロイトで行われたプロデビュー戦でファン・カルロス・ブルゴスと対戦。この試合はIBFインターナショナルライト級王座決定戦も兼ねており、クルスは10回判定勝ちを収め、プロ初陣で早くもタイトルを獲得しました。
- 続く同年12月9日、サンフランシスコで行われた試合ではジョバンニ・ストラフォンと対戦。IBFインターナショナル王座の初防衛戦であると共に、WBAコンチネンタルラテンアメリカライト級王座決定戦でもあったこの一戦で、クルスは3回わずか53秒での鮮烈なKO勝利を飾り、二つ目のプロタイトルを手に入れました。
- 2024年2月24日、フロリダ州オーランドでの試合ではブラヤン・サマリッパを相手に、両タイトルをかけた防衛戦に臨みました。この試合も10回を戦い抜き、3-0のフルマーク判定で勝利。IBFインターナショナル王座の2度目の防衛、WBAコンチネンタルラテンアメリカ王座の初防衛に成功しました。

現在のプロ戦績は5戦5勝（2KO）無敗であり、アマチュア時代から続く無敗街道を突き進んでいます。

アンディ・クルスは、卓越したアマチュアでの実績を礎に、プロキャリアでも順調にステップアップしています。その高いボクシング技術と適応能力から、今後の世界タイトル挑戦、さらにはライト級のトップ戦線での活躍が大きく期待される選手です。キューバが生んだ新たなボクシングスターとして、彼の今後の動向に注目が集まります。

もう一度検索