アントニオ・ブラウン

アントニオ・ブラウン：栄光と波乱に満ちたNFLキャリア

アントニオ・タバリス・ブラウン・シニア（Antonio Tavaris Brown Sr.、1988年7月10日生まれ）は、アメリカ合衆国フロリダ州マイアミ出身のアメリカンフットボール選手です。ポジションはワイドレシーバー（WR）として活躍しました。

プロ入りまで

マイアミのリバティシティで育ったブラウンは、マイアミノーランド高校時代にアメリカンフットボールと陸上競技の両方で才能を発揮しました。アメリカンフットボールでは、ランニングバック、クォーターバック、ワイドレシーバー、パントリターナーとして多才ぶりを見せました。陸上競技では100メートル競走、400メートルリレー走の選手として活躍し、400mリレーでは州で優勝するほどの成績を残しました。

フロリダ州立大学への進学を目指しましたが、学業成績が足りず断念。その後、アルコーン州立大学を目指し、ノースカロライナテックプレップに進学しました。QBとして5試合に出場し、1247ヤード、11TD、ランでも451ヤード、13TDを記録しました。同校で1年プレーした後、フロリダ国際大学から奨学金のオファーを受けましたが、ウェストバージニア大学のWRコーチ、ブッチ・ジョーンズに積極的にリクルートされ、ジョーンズが中央ミシガン大学のヘッドコーチに就任することとなり、中央ミシガン大学への進学を決意しました。中央ミシガン大学ではアメリカンフットボールに専念し、2008年と2009年にはパントリターナーとしてオールアメリカンアワーズを獲得しました。

中央ミシガン大学での3年間で、彼は歴代トップの305回のレシーブで、歴代4位の3,199ヤードを獲得、歴代3位の22TDを記録しました。2010年1月7日、最終学年でのプレーをせず、NFLドラフトにアーリーエントリーすることを発表しました。ドラフト前のNFLコンバインでは全種目に出場し、中央ミシガン大学のプロデーでも40ヤードダッシュなどを行いました。

NFLでの活躍

2010年のNFLドラフトでは、ピッツバーグ・スティーラーズに6巡目で指名され入団しました。同年6月15日、3年128万ドルの契約を結びました。トレーニングキャンプでは、控えWRの座を争い、ハインズ・ウォード、マイク・ウォレス、アントワン・ランドレル、アーナズ・バトルに次ぐ5人目のWRとなりました。9月19日のテネシー・タイタンズとの開幕戦でキックオフリターナー、パントリターナーとして起用され、リバースからのプレーで89ヤードのTDを記録しました。10月3日のボルチモア・レイブンズ戦で初キャッチを記録しました。

2年目の2011年には、アントワン・ランドレルが退団し、第3WRの座を勝ち取りました。またキックオフリターナー、パントリターナーにも起用されることとなりました。10月30日のニューイングランド・ペイトリオッツ戦ではシーズン最多の9回のレシーブで67ヤードを獲得、プロ初のTDレシーブを記録しました。12月4日のベンガルズ戦では60ヤードのパントリターンTDをあげ、その週のAFCスペシャルチーム部門の最優秀選手に選ばれました。

2012年7月28日、850万ドルのサインボーナスを含む5年4250万ドルの契約延長を果たしました。2013年シーズンは、NFL史上初めて各試合5レセプション以上と最低でも50ヤード以上のレシーブを記録しました。

その後もブラウンは目覚ましい活躍を続け、数々の記録を打ち立てました。2014年にはNFLトップの129回のレシーブで1,698ヤード、2位タイの13TDを記録しました。2015年には自己ベストの284ヤードを獲得し、1試合のレシーブ記録を更新しました。

スティーラーズ退団とその後

2018年、ブラウンはチームとの間に軋轢が生じ、シーズン最終戦を前にチームを離脱しました。その後、オークランド・レイダース、ニューイングランド・ペイトリオッツと契約しましたが、素行の問題で短期間で解雇されました。

2020年、タンパベイ・バッカニアーズと契約し、スーパーボウル制覇を経験しました。しかし、2021年には再び問題行動を起こし、チームから解雇されました。

アントニオ・ブラウンは、その才能と実績からNFL史上に残るワイドレシーバーの一人として評価されていますが、同時に多くの問題行動を起こし、そのキャリアは波瀾万丈なものでした。

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