アントニオ・マルガリート

アントニオ・マルガリート・モンティエール

アントニオ・マルガリート・モンティエール（通称トニー）は、1978年3月18日生まれのメキシコの元プロボクサーで、カリフォルニア州トーランス出身です。彼はティフアナに住んでおり、プロボクシング界において「ティファナの竜巻」という異名を持つレスラーでもあります。マルガリートは、WBO、IBF、WBAなどの複数の世界ウェルター級タイトルを獲得しており、特にWBO世界ウェルター級王者としての地位は広く認識されています。

ボクシングの道へ

マルガリートは、1980年代の伝説的ボクサー、フリオ・セサール・チャベスに触発されてボクシングを始めました。1994年1月14日にプロデビューを果たすものの、初期には12戦で9勝3敗という成績で注目を浴びることはありませんでした。しかし、彼は粘り強く努力を続け、徐々にランキングを上げていきました。

2000年2月には、アルゼンチンのセルヒオ・マルチネスと対戦し、試合の終盤でTKO勝利を収めると、これが彼の名を広める契機となりました。続くタイトル戦において、彼はNABO北米ウェルター級王座を獲得し、さらにはWBO世界ウェルター級王座への挑戦も果たします。2002年3月にアントニオ・ディアスをTKOで下し、悲願の世界チャンピオンとなりました。

王者としての成功と波乱

その後、マルガリートは数度にわたり王座を防衛し、その試合は多くのファンに感動を与えました。しかし、2009年に起きた不正行為の疑惑により、ボクシング界での名声は大きな危機に晒されます。特にシェーン・モズリーとの試合前に、彼のバンデージ内から不正に硬化するパッドが発見されたことが問題となり、1年間のライセンス停止処分を受けることになります。この件はボクシング界に衝撃を与え、引退を強いられる選手も多くいました。

再起とその後

試合からの長いブランクの後、マルガリートは2010年に復帰し、WBCインターナショナルスーパーウェルター級王座決定戦で勝利を収めましたが、その後のマニー・パッキャオとの試合で大差判定負けを喫し、再び引退の危機に直面しました。この試合は彼にとって非常にデマージが重く、視力を失う危険性もありました。

2011年以降、マルガリートは一時の健康問題や王座挑戦の失敗を経て、2012年に現役引退を決意しましたが、その後再び現役復帰が報じられました。最終的な復帰戦は2016年に行われ、勝利を収めるものの、彼のボクシングキャリアは波乱に満ちたものでした。

獲得したタイトル

アントニオ・マルガリートは、以下のタイトルを獲得しました。

• - NABO北米ウェルター級王座（防衛0、返上）
• - WBO世界ウェルター級王座（防衛7）
• - WBNインターコンチネンタルウェルター級王座（防衛0、返上）
• - IBF世界ウェルター級王座（防衛0、返上）
• - WBA世界ウェルター級スーパー王座（防衛0）
• - WBCインターナショナルスーパーウェルター級王座（防衛0、返上）

最後に

マルガリートのボクシングキャリアは彼の強さだけでなく、試合における不正行為や復帰、再起への挑戦という彼自身のストーリーが交錯しています。その戦歴は、多くの人々に語り継がれ、ボクシング史において重要な一章を刻む選手として記憶されています。

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