アンドレ・アガシ

アンドレ・カーク・アガシ（Andre Kirk Agassi）

アンドレ・アガシ（1970年4月29日生まれ）は、アメリカ合衆国ネバダ州ラスベガスに生まれた元男子プロテニス選手で、そのキャリアは数々の偉業に彩られています。右利きでバックハンドは両手打ちのスタイルを持ち、ATPツアーでは男子歴代8位に位置する60勝を記録しました。また、ダブルスでは1勝を挙げています。

アガシは、史上唯一のキャリア・グランドスラム、オリンピックシングルス金メダル、ATPツアーファイナルチャンピオンシップ優勝の3冠を達成したスーパースラム達成者です。彼の4大大会通算8勝は、ジミー・コナーズやイワン・レンドルと並び、男子歴代8位タイの記録です。

家族背景

アガシの家庭は多民族にわたり、父はイラン出身のアルメニア系移民で元ボクシング選手、母はイングランド系の白人です。彼の姉リタは、名テニスプレーヤー・パンチョ・ゴンザレスの最晩年の妻でもあり、テニスの世界での彼の位置付けを特別なものにしています。また、彼はテニス界のもう一人の名選手、シュテフィ・グラフと結婚しています。

選手経歴

アガシは4人兄弟の末っ子として生まれ、4歳の時にテニスを始めました。13歳でフロリダ州のニック・ボロテリー・テニスアカデミーに入学し、1986年に16歳でプロ転向を果たします。その後、1988年の全仏オープンと全米オープンでベスト4に進出し、同年には6大会で優勝を果たし、わずか18歳で世界ランク3位に入りました。

ただ、1990年には全仏オープンでアンドレス・ゴメス、全米オープンでピート・サンプラスに敗れ、1991年にはジム・クーリエに連続して敗北し、2年連続の準優勝に終わりました。しかし1992年にはウィンブルドン選手権で、ゴラン・イワニセビッチに勝利し、ついに4大大会初優勝を達成。

その後もアガシは1994年の全米オープン、1995年の全豪オープンで優勝、1996年にはアトランタ五輪で金メダルを獲得しましたが、1997年に女優のブルック・シールズと結婚し、2年後に離婚。その後一時低迷し、最終的には世界ランキングを141位まで落としますが、コーチに就いたブラッド・ギルバートの指導によって復活を果たします。

1999年の全仏オープンでは、アンドレイ・メドベデフとの決勝で逆転勝ちし、30年ぶりにキャリア・グランドスラムを達成。その年の全米オープンでも優勝を果たし、引き続き全豪オープンで2連覇を達成します。アガシは引退後もシュテフィ・グラフとともに生活し、彼女の支えを受けて世界ランキングでトップ10をキープし続けました。

引退とその後

アガシは2006年に現役引退を発表し、最後の大会となった全米オープンでは早々に敗退。引退後はチャリティ活動に積極的に参加し、2001年に設立した「アンドレ・アガシ・チャリティ基金」を通じて、数多くの寄付金を集めました。自叙伝「Open」では、彼の壮絶な生涯が語られ、様々な困難を乗り越えてきたことを明らかにしました。

彼は2011年に国際テニス殿堂入りを果たし、今でもテニス界で語り継がれる伝説的な選手です。アガシのキャリアは、単なる記録にとどまらず、多くのファンに感動を与え続けています。

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