アンネのバラの教会

アンネのバラ教会について

アンネのバラ教会は、兵庫県西宮市に位置する独自の教会で、アンネ・フランクを記念するために設立されました。この教会は、アンネ・フランク資料館を運営しており、彼女にまつわる貴重な資料や遺品を展示しています。特に、オットー・フランクから寄贈された愛用の品々や、貴重な写真が訪れる人々を魅了します。教会の庭には美しいアンネのバラが植えられ、西宮市のバラの名所の一つとなっています。

歴史の背景

アンネのバラ教会の歴史は1971年に始まります。当時、教団の合唱団がイスラエルのネタニヤでオットー・フランクと出会い、この交流を契機にバラの苗が贈られました。この出来事が、アンネの記念教会設立のきっかけとなり、オットーもその運動に賛同してくれました。教会の設計は、アンネ・フランクが隠れていた屋根裏をイメージして作られています。また、オットーが寄贈したメノーラー（七枝の燭台）が印象的です。

献堂式は、ホロコーストの犠牲者を追悼するヨム・ハショアの日に行われ、多くのメディアが報道しました。彫刻家の本郷寛によって制作されたアンネのブロンズ像は、オットーに「世界で最もアンネの内面性を見事に表現した作品」と賞賛されました。しかし、残念ながら、このとき91歳だったオットー自身は出席できませんでしたが、隣人への愛と希望、平和を祈りと共に祝辞を送ったとされています。

資料館と展示内容

アンネ・フランク資料館には、年間約3000人が訪れます。展示物には、アンネがフランクフルトで使っていたスプーンや靴べら、祖父母から贈られた小箱などの形見が含まれています。また、オットーが隠れ家生活中に使用したネクタイや万年筆、財布なども貴重なアイテムとして展示されています。さらに、アンネの友人や支援者に関する写真や、「希望の未来」というテーマで制作されたパネル展示も行われています。各国語版のアンネの日記や、オリジナルグッズも販売されています。

見学の際の注意点

資料館は教会と併設されているため、見学には事前の申し込みが必須です。一般の見学は、土曜日の午後1時から3時に開催されるガイドツアーで可能で、団体向けの平和学習や研修は金曜日に受け入れています。教会の行事や年末年始は閉館し、特にクリスマスシーズンは不定期開館となるため、事前に確認することが勧められます。

アンネの庭

教会の庭には、50株のアンネのバラや銅像があります。庭の通路は狭く、手荷物はベンチに置くことが推奨されています。アンネのバラは四季咲きで、特に春と秋に美しい花を咲かせますが、夏には蕾を落とします。5月の開花展示会期間中は予約なしで一般見学可能ですが、団体は申し込みが必要です。

アクセス

アンネのバラ教会へのアクセスは、阪急電鉄甲陽線の甲陽園駅から徒歩約10分です。駐車場は階段を下った場所に2台分あり、坂道を上る必要がありますので、体力に自信のない方はタクシーを利用することを勧めます。また、車椅子利用者への配慮もされており、アクセスの際は事前確認が必要です。

その歴史とともに大切に受け継がれるアンネのバラ教会は、人々に平和の大切さを教え、未来へ向けた希望を持たせてくれる場所です。

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