アン・ヘイドン＝ジョーンズ

アン・ヘイドン＝ジョーンズ：テニス史に輝くレジェンド

アン・ヘイドン＝ジョーンズ（Ann Haydon-Jones、1938年10月7日 - ）は、イギリス・バーミンガム出身の女子テニス選手です。本名はアドリアン・シャーリー・ヘイドン＝ジョーンズ（Adrianne Shirley Haydon-Jones）。彼女は、1960年代の女子テニス界を代表する選手の一人であり、テニス史における最大の転換点である「オープン化時代」にプロ選手として活躍し、アマチュア・プロ両方の立場で目覚ましい成績を残しました。

アマチュア時代の輝かしい実績

アン・ヘイドン＝ジョーンズは、アマチュア時代に全仏選手権で2度の女子シングルス優勝を果たしました。その実力は早くから注目され、将来を嘱望される選手として成長しました。

プロ転向後の成功

1968年、テニス界は「オープン化」を迎え、プロ選手の四大大会出場が解禁されました。アン・ヘイドン＝ジョーンズは、ビリー・ジーン・キング夫人らと共に、プロテニス選手契約書にサインした最初の選手の一人となりました。プロ転向後、1969年のウィンブルドン選手権で優勝し、その名を世界に轟かせました。

生い立ちとテニスとの出会い

アン・ヘイドンは、両親ともに卓球選手というスポーツ一家に生まれました。少女時代には卓球のジュニア世界選手権で5度の決勝進出を果たし、1954年から1959年まで世界卓球選手権に5回出場するなど、卓球選手としても優れた才能を発揮していました。しかし、1954年と1955年にテニスの全英ジュニア選手権で連覇したことをきっかけに、テニス選手としての道を歩み始めます。

四大大会での活躍

アン・ヘイドン＝ジョーンズは、四大大会で数々の輝かしい成績を残しました。

全仏選手権：女子シングルス2勝（1961年、1966年）、女子ダブルス3勝（1963年、1968年、1969年）
ウィンブルドン選手権：女子シングルス1勝（1969年）、混合ダブルス1勝（1969年）
* 全米選手権：女子シングルス準優勝2回（1961年、1967年）

1969年ウィンブルドン選手権優勝

1969年のウィンブルドン選手権は、アン・ヘイドン＝ジョーンズのテニスキャリアにおける最大のハイライトでした。準決勝で、マーガレット・コート夫人の四大大会年間3連勝を阻止し、決勝では大会3連覇中だったビリー・ジーン・キング夫人を破り、見事優勝を果たしました。この勝利により、彼女は左利きの女子選手として初のウィンブルドン優勝者となり、大会初出場の1956年から14回目の挑戦で悲願を達成しました。また、この大会ではフレッド・ストールとのペアで混合ダブルスでも優勝し、2冠を達成しました。

引退後

ウィンブルドン優勝後、アン・ヘイドン＝ジョーンズは全米オープンの出場を辞退し、1970年に現役を引退しました。1985年には国際テニス殿堂入りを果たし、その功績が称えられました。

プレースタイルと人物像

アン・ヘイドン＝ジョーンズは、左利きから繰り出される多彩なショットと、粘り強いプレースタイルが特徴でした。また、その美貌と知性的な雰囲気で、多くのファンを魅了しました。

彼女のテニスに対する情熱と、常に挑戦し続ける姿勢は、多くの人々に感動を与え、テニス史にその名を深く刻んでいます。

アン・ヘイドン＝ジョーンズは、テニス界における真のレジェンドとして、これからも語り継がれることでしょう。

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