アヴラアム・パパドプーロス

アヴラアム・パパドプーロスは、1984年12月3日にオーストラリアのメルボルンで生を受けたサッカー選手です。ギリシャとオーストラリアの二重国籍を持ち、キャリアを通じて主に最終ラインを支えるディフェンダーとして活躍しました。その実績は、ギリシャ代表として国際舞台で戦った経験にも裏打ちされています。

クラブキャリア

彼のプロキャリアは、2003年にギリシャのアリス・テッサロニキで始まりました。このクラブで基礎を築き、選手として成長した後、2008年夏にはギリシャ国内の盟主、オリンピアコスFCへと移籍しました。オリンピアコスでの約6年間は、パパドプーロスの選手人生における絶頂期と言えるでしょう。強靭な守備でチームを支え、不動のレギュラーとして、ギリシャ・スーパーリーグで5度の優勝、中でも2010-11シーズンから2013-14シーズンにかけての4連覇に大きく貢献しました。また、国内カップ戦であるギリシャ・フットボールカップでも3度の栄冠を勝ち取り、数多くのタイトル獲得に中心的な役割を果たしました。

しかし、順調に進んでいたキャリアに暗い影を落とす出来事が起こります。2012年6月、左膝前十字靭帯断裂という選手にとって極めて深刻な怪我を負ってしまったのです。この大怪我からの復帰は容易ではなく、以前のような高いレベルのパフォーマンスを継続することが難しくなり、彼のキャリアは下降傾向に転じました。

オリンピアコスを離れた後、2014年から2015年にかけてはトルコのスュペル・リグに所属するトラブゾンスポルでプレーしました。この時期は、後に日本代表監督となるヴァイッド・ハリルホジッチ氏が指揮を執っており、彼の下でプレーした経験も持っています。

2015年には活躍の場をアジアに移し、中国超級リーグの上海申花に加入しましたが、在籍期間はわずかとなりました。当時の上海申花は大型補強を進めており、フレディ・グアリンをはじめとする高額な移籍金で獲得した選手たちが多数加入しました。その結果、クラブ内の外国人選手枠が不足し、パパドプーロスは2016年2月19日をもって契約を解除されることになったのです。

再び新たな活躍の地を求め、2016年5月18日、日本のJリーグクラブ、ジュビロ磐田への加入が発表されました。アジア枠の選手としての移籍でした。日本の地での公式戦初出場は、同年6月5日にヤマハスタジアムで行われたヤマザキナビスコカップの名古屋グランパスエイト戦です。Jリーグでの初陣は、6月18日のJ1リーグ1stステージ第16節、湘南ベルマーレとの対戦でした。そして、日本のファンにその存在を強く印象づけたのは、2016年8月24日にレベルファイブスタジアムで行われたJ1リーグ2ndステージ第10節、アビスパ福岡戦でした。この試合で彼は来日初となるゴールを記録しています。しかし、ジュビロ磐田でのプレーは短期間に終わり、シーズン終了をもってわずか半年での退団が発表されました。

磐田を離れた後、パパドプーロスはオーストラリアへ帰国し、2017年2月から2019年1月までAリーグのブリスベン・ロアーFCでプレーを続けました。そして2019年1月、彼は自身にとって最も輝かしい時間を過ごしたクラブ、オリンピアコスFCへ再び戻る決断をします。2度目のオリンピアコス在籍は2022年6月まで続き、古巣でキャリアの後期を過ごしました。

代表キャリア

国際舞台においては、2008年にギリシャ代表に選出され、代表チームでのキャリアをスタートさせました。2008年から2014年にかけて、ギリシャ代表として通算37試合に出場しています。代表での活動のハイライトの一つは、2010年に南アフリカで開催されたFIFAワールドカップのギリシャ代表メンバーに選ばれたことです。世界の強豪が集まる舞台で、ギリシャ代表の一員としてプレーする機会を得ました。

獲得タイトル

プロキャリアにおいて、パパドプーロスは主にオリンピアコスFCで数多くの栄誉を手にしました。

ギリシャ・スーパーリーグ優勝: 5回（2008-09、2010-11、2011-12、2012-13、2013-14シーズン）
ギリシャ・フットボールカップ優勝: 3回（2009年、2012年、2013年）

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