ア・ラフ・アウトライン

『ア・ラフ・アウトライン: ザ・シングルズ&B-サイズ 95-03』は、イギリスのロックバンド、ブルートーンズが1995年から2003年にかけて発表したシングルA面・B面を網羅したコンピレーション・アルバムです。バンドの音楽的な変遷と魅力を堪能できる作品として、ファンには必携のアイテムとなっています。

ディスク1には、デビューシングル「アー・ユー・ブルー・オア・アー・ユー・ブラインド」から「ネバー・ゴーイング・ノーウェア」まで、バンドを代表するシングルA面曲が収録されています。これらの楽曲は、ブルートーンズのキャッチーなメロディーと、独特のギターサウンド、そしてヴォーカルのマーク・モリスの魅力的な歌声を堪能できます。彼らの人気を確立した代表曲を通して、バンドの軌跡を辿ることができます。

ディスク2とディスク3には、シングルのB面曲が収録されています。B面集は、メンバーが当初意図していなかったものの、レコード会社の意向によりA面集とのセットで発売されることになりました。しかし、B面曲にも、バンドの実験精神や音楽的な幅広さが表れており、聴きごたえのある内容となっています。カントリー、映画音楽、他のアーティストのカバーなど、多彩なジャンルの楽曲が収録されており、ブルートーンズの新たな一面を発見できるでしょう。

収録曲に関する補足

Disc 1の6曲目「キャッスル・ロック」は、1995年の初来日時に日本の海賊版アルバムで「Cut Some Rug」が誤って「Castle Rock」と表記されていたことがきっかけで制作されたというエピソードがあります。今回がアルバム初収録となります。
Disc 2の3曲目「ネイ・ヘア・オント」は、老いについて歌った曲で、ユーモラスな歌詞が印象的です。
Disc 2には、ハーガス・ロビンス、ランディ・ニューマン、ザ・レイン・パレード、レフト・バンクといったアーティストのカバー曲が収録されており、ブルートーンズのルーツや音楽的な影響を知ることができます。
Disc 2の12曲目「アルマゲドン」には、コメディアンのマット・ルーカスが参加しており、楽曲にユーモアを添えています。
Disc 3には、バッファロー・スプリングフィールド、ビーチ・ボーイズ、バーブラ・ストライサンド、フィリス・ネルソン、ラモーンズ、フランク・シナトラといった、幅広いジャンルのアーティストのカバー曲が収録されています。これらのカバー曲を通して、ブルートーンズの音楽的な嗜好や、楽曲解釈のユニークさを感じることができます。
Disc 3の10曲目「スープ・デ・ジュール」は、エズ・チェスターズがボーカルを務める唯一の曲で、フランス語で歌われています。

『ア・ラフ・アウトライン: ザ・シングルズ&B-サイズ 95-03』は、ブルートーンズの音楽的な魅力を余すところなく詰め込んだ、聴き応えのある作品です。彼らのファンはもちろん、ブリティッシュ・ロックに興味のある方にもおすすめできるアルバムと言えるでしょう。惜しくも日本盤は発売されていません。

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