ブルートーンズ

ザ・ブルートーンズ：ブリットポップからインディーシーンまで、そして再結成へ

ザ・ブルートーンズは、1993年にイギリス・ロンドンで結成されたロックバンドである。1995年のデビューは、ブリットポップ全盛期という絶好のタイミングだった。洗練されたギターポップサウンドを武器に、1996年のシングル『Slight Return』やデビューアルバム『Expecting to Fly』の大ヒットで瞬く間に人気を獲得した。

メンバーとそれぞれの個性

バンドのフロントマンであるマーク・モリス（ボーカル、1971年10月18日生）は、バンド解散後もソロアーティストとして活動を続けている。アダム・デヴリン（ギター、1969年9月17日生）は、ザ・スミスやオレンジ・ジュースといったアーティストからの影響を強く受け、エドウィン・コリンズやジョニー・マーらをヒーローとして挙げる。スコット・モリス（ベース、コーラス、1973年10月10日生）はマークの実弟で、アルバムやシングルのジャケットデザインを担当。インディー時代からはPV制作も手掛け、現在はフリーのアニメーション作家として活躍している。エズ・チェスターズ（ドラム、1971年10月24日生）は、以前はポップユニットSohoに所属し、ブルートーンズ解散後はオステオパシーの道へ進んでいる。元メンバーには、キーボードのリチャード・ペイン（元ドッジー、1971年1月1日生）がいる。

結成からブレイク、そしてブリットポップ後の歩み

ザ・スミスやストーン・ローゼズに影響を受けたマークとアダム、スコットの3人によって「The Bottlegarden」というバンドが結成されたことが始まりである。後にエズが加入し、「The Bluetones」と改名、本格的なライブ活動をスタートさせた。初期はロンドンのハウンズローで、他のバンドメンバーと同じ家に住み込み、厳しい下積み時代を過ごした。

フィアース・パンダ・レコードのコンピレーション盤への参加を経て、1995年2月に自主制作シングルをリリース。その後、メジャーレーベルと契約し、シングル『Are You Blue or Are You Blind?』でインディーチャート1位を獲得、全英チャートでも31位にランクインするなど、着実に存在感を示した。

1996年、シングル『Slight Return』が全英2位を記録し、大きなブレイクを果たす。続くデビューアルバム『Expecting to Fly』は全英1位を獲得、プラチナディスクを獲得する大ヒットとなった。このアルバムとシングル『Cut Some Rug』、『Marblehead Johnson』の成功により、ブリットアウォーズのベスト・ニューバンド部門にノミネートされるなど、ブリットポップシーンを代表するバンドとして確固たる地位を築いた。

ブリットポップ終焉後も精力的に活動を続け、2枚目のアルバム『Return to the Last Chance Saloon』、3枚目のアルバム『Science & Nature』、4枚目のアルバム『Luxembourg』などをリリース。レーベル移籍やメンバーチェンジなども経験しながらも、インディーシーンで活動を継続した。この間、マークはソロ活動も開始している。

解散と再結成

2011年、17年間の活動に幕を閉じ、解散を発表した。日本公演を含むフェアウェルツアーを行い、同年10月1日の大阪公演をもって活動を終了した。解散後、マークはソロ活動を続け、その他のメンバーは音楽活動から離れていたが、2015年、デビュー20周年を記念して再結成を発表。以来、断続的にツアーを行い、現在も活動を続けている。

エピソード

ザ・ブルートーンズは、新人バンド育成にも力を入れ、自らのレーベルから数々のバンドをデビューさせていた。また、映画監督のエドガー・ライトは、長年のファンであり、彼の作品にブルートーンズの楽曲が使用されている。

ディスコグラフィー

ザ・ブルートーンズは数多くのスタジオアルバム、コンピレーションアルバム、ライブアルバム、シングルをリリースしており、その作品群は彼らの音楽的進化の軌跡を物語っている。また、日本でも数多くの来日公演を行い、多くのファンを魅了してきた。

ザ・ブルートーンズの歴史は、ブリットポップ全盛期からインディーシーン、そして再結成と、常に変化し続ける音楽シーンの中で、彼ら独自のサウンドとスタイルを貫き通してきたバンドの物語である。 彼らの音楽は、これからも多くのリスナーを魅了し続けることだろう。

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