アーイシャー・ターキヤー

アーイシャー・ターキヤー（ヒンディー語: आयेशा टाकिया आजमी、ラテン文字転写: Ayesha Takia）は、1986年 4月10日に生まれたインドの女優です。彼女は主にヒンディー語映画界、通称ボリウッドで活躍しており、そのキャリアを通じて幅広い役柄に挑戦してきました。

キャリアの始まり

アーイシャーがエンターテイメントの世界に足を踏み入れたのは、まだ幼い頃でした。彼女は、俳優のシャーヒド・カプールと共に「I am a Complan Girl!」という子供向け栄養飲料のコマーシャルに出演し、一般大衆の注目を集めるようになります。

10代後半になると、彼女はミュージックビデオの世界でもその存在感を示します。16歳の時には、人気インド人歌手ファールグニー・パータカのヒット曲「Meri Chunarii Udd Udd Jaye」のミュージックビデオに出演し、その若々しい魅力が大きな話題を呼びました。さらに2年後の18歳で、「Shake It Daddy」のミュージックビデオにも出演。これらのミュージックビデオでの出演は、映画業界の関係者の目に留まり、彼女のもとには複数の映画出演のオファーが舞い込むきっかけとなりました。

彼女は当初、映画『Socha Na Tha』への出演を決定して契約を結びましたが、この作品の製作が計画よりも遅れたため、結果として別の映画が先に公開されることになります。

映画界での活躍と評価

アーイシャーの本格的な映画デビュー作となったのは、2004年に公開されたファンタジーアクション映画『Taarzan: The Wonder Car』でした。この作品で主演を務めた彼女の演技は高く評価され、インド映画界で最も権威ある賞の一つであるフィルムフェア賞において、その年の最優秀新人女優賞を見事に獲得し、女優としての華々しいキャリアをスタートさせました。

デビュー後も彼女は精力的に作品に出演し、特にその演技力が批評家から高く評価されたのが、2006年に公開されたナーゲーシュ・ククヌール監督のドラマ映画『Dor』です。この映画で彼女は、若くして夫を亡くしたヒンドゥー教徒の未亡人という、非常に複雑で感情的な役柄を演じきり、その卓越した表現力で多くの映画評論家から絶賛を浴びました。この『Dor』での演技により、2007年にはフィルムフェア賞の最優秀女優賞（批評家選考部門）を受賞し、女優としての確固たる地位を確立しました。

ボリウッドでの活動に加え、彼女は南インドのテルグ語映画にも挑戦しています。テルグ語映画『Super』では、著名なテルグ語俳優アッキネーニ・ナーガールジュナと共演し、活動の幅を広げました。

2009年、アーイシャーはアクションコメディ映画『Wanted』に出演します。この作品では、ボリウッドのスーパースター、サルマーン・カーンと共演し、映画自体が驚異的なヒットを記録。2009年度の興行成績で第3位となるなど、商業的に大成功を収めました。『Wanted』における彼女の演技もまた、メディアや映画評論家から概ね好評を博しました。

その後も、シャーヒド・カープール共演の『Paathshaala』や、2011年の映画『Mod』などに出演し、一定の評価を得ています。また、2012年には映画以外の分野にも進出し、ミュージカルリアリティ番組「Sur Kshetra」に出演するなど、多才な一面を見せました。

私生活

アーイシャー・ターキヤーは、2009年3月1日に結婚しました。お相手は、サマジワディ党の指導者であるアブー・アースィム・アーズミー氏の息子で、自身もレストラン経営者として知られるファルハン・アーズミー氏です。当初、二人は2008年12月に挙式を予定していましたが、同年11月末にインドのムンバイで発生した大規模なテロ事件の影響により、結婚式を延期することを余儀なくされました。

主な受賞

2004年：フィルムフェア賞最優秀新人女優賞（対象作品: 『Taarzan: The Wonder Car』）
2007年：フィルムフェア賞最優秀女優賞批評家選考部門（対象作品: 『Dor』）

アーイシャー・ターキヤー