アークテリクス

アークテリクス（Arc'teryx）

アークテリクスは、1989年にカナダのブリティッシュコロンビア州ノースバンクーバーで設立されたアウトドア用品メーカーです。創業者はクライマーのデイブ・レイン（Dave Lane）とジェレミー・ガード（Jeremy Guard）で、同社の名称は最古の鳥類である始祖鳥の学名「Archaeopteryx」に由来しています。アークテリクスは、洗練されたデザインと高機能を追求しており、通販や店舗を通じてそのプロダクトを世界中に展開しています。

沿革

アークテリクスの前身であるRock Solid社は、クライミングハーネスの開発からスタートしました。設立当初から、熱ラミネート加工技術を取り入れたVaporハーネスが爆発的にヒットし、その後の製品開発においても重要な役割を果たしました。1996年にはゴアテックス技術をライセンス取得し、アウトドアアパレル市場に進出します。特にTheta ARジャケットやGamma MXジャケットは、その高性能で広く知られるようになりました。

1999年には製造拠点をバーナビーに移し、さらなる成長を果たしています。しかし、2005年に再びノースバンクーバーに本社を戻しました。そして2019年には、アクティブスポーツ市場に強みを持つ中国の安踏体育用品グループに買収され、子会社となりました。

製品ラインアップ

アークテリクスは、ロッククライミング、スキー、スノーボード、トレッキング、ハイキングといった幅広いアウトドアアクティビティ向けのアパレルやギアを提供しており、商品は「地球上に存在する最高の素材、革新技術、ユニークなデザインを駆使して作る」との理念が反映されています。この哲学は、製品の機能性とデザインに高い評価をもたらし、数々の専門誌からの表彰を受けてきました。

特に人気があるのは、1999年に発売されたアロー22（ARRO22）というバックパックで、日本国内でもビームスやオッシュマンズからの別注モデルが販売されるほどの人気を誇ります。

アークテリクス リーフ

アークテリクスリーフ（Arc'teryx LEAF）は、このブランドが提供する軍队及び法執行機関向けの商品ラインです。このラインでは、一部アイテムが民生品向けのデザインに仕立てられつつも、軍隊向けには戦略的なカモフラージュ柄が用意されており、用途に応じた製品の差別化が図られています。日本では七洋交産株式会社が正規の輸入代理店となっています。

不祥事

しかし、近年にはアークテリクスをめぐる問題も生じました。2025年9月19日、中国チベット自治区シガツェ地区で実施された花火アートイベントにおいて、華やかな煙を発生させる花火が打ち上げられたことへの批判が相次ぎました。「山を爆破する」との意味に受け取られ、生態系への影響を懸念する声がオンライン上で広がりました。この件に関して、アークテリクスとアーティストの蔡國強は共同で謝罪声明を発表しています。

まとめ

アークテリクスは質の高いアウトドア用品を提供し続ける一方で、社会的な責任も果たす必要があります。今後の動向に注目が集まります。

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