安踏体育用品

安踏体育用品有限公司（ANTA Sports Products Limited）

安踏体育用品有限公司は、中国・福建省に本社を置く大手スポーツウェアメーカーです。ANTA（アンタ）ブランドを中心に、靴、アパレル、アクセサリーなど幅広いスポーツ用品のデザイン、開発、製造、販売を手掛けています。

1994年に設立され、本社は福建省の晋江市と廈門市にあります。創業者の丁世忠氏は、家計の負担を軽減するために事業を始めました。2008年の北京オリンピックは、同社にとって大きな転機となり、販路拡大の絶好の機会となりました。

事業展開と成長

2007年には香港証券取引所に上場し、株式公開価格は1株当たり5.28香港ドルで取引されました。2009年には、百麗国際とのライセンス契約により、中国本土、香港、マカオでFILAブランドの事業を開始しました。また、デサントやSPRANDIの店舗を中国本土で、KOLON SPORTやKINGKOWの店舗を中国・香港・マカオで展開しています。

スポーツ選手との契約

2010年には、元NBA選手のケビン・ガーネットが、スポーツシューズのスポンサーをアディダスからアンタに変更しました。また、2015年には、ゴールデンステート・ウォリアーズのクレイ・トンプソンもナイキからアンタにスポンサーを変更しています。これらの契約は、同社のブランドイメージ向上に大きく貢献しました。

2018年12月には、安踏体育用品、方源資本、テンセントなどの投資家グループが、フィンランドのスポーツ用品大手アメアスポーツの買収を発表し、翌年3月に買収を完了しました。これにより、同社は国際的なスポーツ用品市場におけるプレゼンスをさらに高めることとなりました。

NBAとの関係

2019年、ヒューストン・ロケッツのゼネラルマネージャーが香港の民主化デモを支持するツイートをしたことを受け、アンタはNBAをボイコットしました。この決定は、中国国内でのナショナリズムの高まりを反映したものと言えます。

新疆綿問題

アンタは、新疆ウイグル自治区産の綿の使用をめぐり、強制労働に関与しているとの非難を受けています。この問題は、企業のサプライチェーンにおける倫理的な問題として国際的な注目を集めています。

スポンサーシップ

アンタは、クレイ・トンプソン、カイリー・アービング、ゴードン・ヘイワード、ラジョン・ロンド、ルイス・スコラ、マニー・パッキャオなど、多くの著名なスポーツ選手やチーム、リーグのオフィシャルサプライヤーやスポンサーを務めています。過去には、チャンドラー・パーソンズやケビン・ガーネットとも契約していました。

さらに、ウィンタースポーツ、ボクシング、テコンドー、体操、重量挙げ、レスリング、柔道、サーフィン、水球、ゴルフなど、26の中国代表チームを支援しています。これらの活動を通じて、中国スポーツの発展に貢献しています。

安踏体育用品は、中国国内だけでなく国際的にも成長を続けるスポーツ用品メーカーです。積極的な事業展開とアスリートとのパートナーシップを通じて、世界中のスポーツファンに支持されています。

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