アークランズ

アークランズ株式会社：ホームセンター業界の巨人、その歴史と事業展開

アークランズ株式会社は、新潟県三条市に本社を置く、ホームセンター業界において圧倒的な存在感を誇る企業です。 『ホームセンタームサシ』と『ビバホーム』という2つの主要ブランドを軸に、全国各地で事業を展開しています。その歴史は、1952年、金物類の卸売業として創業された坂本商会に遡ります。長年に渡る着実な成長と戦略的な事業拡大を経て、現在の地位を築き上げてきました。

創業からホームセンター業界への参入

当初は金物卸売業としてスタートした同社は、1970年に株式会社坂本産業として法人化。その後、1973年にはDIY・ホームセンター業界へ参入、そして1978年には新潟市に最初のホームセンターとなる「ホームセンター武蔵」を開店しました。 この「武蔵」という名称は、武蔵坊弁慶をモチーフにしたマスコットキャラクターや、「634」という数字の語呂合わせにも由来しており、地域に密着した親しみやすいブランドとしてスタートしました。

多角化戦略と積極的な企業買収

アークランズ株式会社の成長戦略は、ホームセンター事業に留まらず多様な分野への積極的な展開にあります。1986年には外食事業部を設立、その後アークランドサービス株式会社（現アークランドサービスホールディングス株式会社）として独立させました。これは現在、とんかつ専門店『かつや』などを展開する企業グループとして知られています。

さらに、同社は卸売事業、リフォーム事業、フィットネス事業（JOYFIT、FIT365フランチャイズ店）など、幅広い事業ポートフォリオを構築しています。 近年では、2020年にLIXILビバとの資本業務提携とTOBによってビバホームを傘下に収め、2022年にはビバホームを吸収合併し、現在の社名であるアークランズに変更しました。これは同社の事業規模をさらに拡大させる大きな転換点となりました。

地域密着と全国展開

アークランズ株式会社は、創業の地である新潟県を中心に『ホームセンタームサシ』を展開し、一方で『ビバホーム』は東日本、東海、近畿、九州と、より広範囲で展開しています。 これは、地域に根付いたサービスを提供しつつ、全国規模のネットワークを構築するという、二軸戦略を成功させた好例と言えます。 さらに、食品スーパー『ムサシ食品館』、ペットショップ、アート・クラフト専門店『アークオアシス』など、多様な業態を展開することで、顧客層の拡大を図っています。インターネット通信販売にも対応しており、現代の消費ニーズにも柔軟に対応しています。

未来への展望

アークランズ株式会社は、2024年には卸売事業を新設分割したアークランドサカモト株式会社へ承継しました。これは、企業の成長戦略における重要な意思決定であり、それぞれの事業の専門性を高め、更なる発展を目指すための施策と言えます。 今後、アークランズ株式会社がどのように事業を展開し、更なる成長を遂げていくのか、業界の注目が集まっています。 ホームセンター業界の競争は激しさを増していますが、多角的な事業展開と地域密着型の経営、そして積極的なM&A戦略によって、同社は今後も業界をリードしていく存在として、その存在感を示していくことでしょう。

もう一度検索