アーサー・ホーランド

アーサー・ホーランド

アーサー・ホーランド氏（日本名：岡田正之）は、1951年大阪市に生まれ、現在は特定の教会に属さず活動する牧師、そして伝道者です。かつては基督兄弟団成増教会協力牧師、キャンパス・クルセード・フォー・クライスト (CCC) 所属の日本宣教師を務め、伝道団隊ミッション・バラバを創設、アーサー・ホーランド・ミニストリーを主宰しています。その活動は多岐にわたり、作家、俳優、講演家としても知られています。また、米国でサンボレスリングや柔道の選手として活躍した経歴を持ちます。

人物と活動の根幹

彼の活動のキーワードは「You Are Loved（あなたは愛されている）」です。神の限りない愛を伝えることを活動の主軸とし、形式に囚われない信仰のあり方、本質的な存在を見つめる生き方を提唱しています。このメッセージを伝える象徴的な活動として、十字架を背負って各地を歩く「十字架行進」を実践。これまでに日本国内のみならず、アメリカ、韓国、キューバなど、様々な国や地域を縦断・横断してきました。

来歴

日系アメリカ人の父と日本人の母のもとに大阪で誕生。幼少期は祖父が営む寿司屋で過ごし、カトリック系の学校で学びました。小学校高学年で父親の転勤に伴い上京し、インターナショナルスクールへ進みます。

15歳頃から柔道を始め、中学・高校時代はバスケットボール部とレスリング部にも所属。格闘家としての才能を開花させ、著名なコーチや選手から指導を受けました。特に柔道においては、東京オリンピック金メダリストの岡野功氏に師事し、その内弟子として鍛錬を積んでいます。この頃、バーの用心棒を務めていたこともあります。

1972年、20歳で渡米し、カリフォルニア州のサンタアナ・カレッジで犯罪学を専攻し、FBI捜査官を目指しました。大学で始めたサンボレスリングでは、全米選手権で複数回優勝するなど優れた成績を残しました。しかし、この時期、人生の虚無感から薬物依存に苦しみます。

転機が訪れたのは1974年。岡野功氏の岳父が牧師を務める教会を訪れたことがきっかけで、信仰に出会い、23歳で洗礼を受けクリスチャンとなります。その後、スポーツ伝道に携わるようになり、CCCのレスリングチームの一員として全米の大学で伝道活動を行いました。1978年にはパンアメリカン選手権でメダルを獲得し、世界選手権への出場権を得るも、試合中の負傷により選手としての道を断念。結婚を機に、日本での宣教師となることを決意します。

1982年に妻と共に日本に帰国し、CCCの宣教師として活動を開始。名古屋での訓練を経て、路傍伝道という独自のスタイルを確立します。特に新宿での活動は、元暴力団員らの協力を得て行われ、これが後のミッション・バラバ結成へと繋がります。1990年には牧師として按手礼を受け、正式な牧師となりました。

1992年からは、重い十字架を担いで日本列島を徒歩で縦断する「日本リバイバル十字架行進」を開始。沖縄から北海道宗谷岬まで約3700kmを踏破しました。この活動は国内外で注目を集め、その後も繰り返し日本国内やアメリカ、韓国、キューバなどで十字架行進を行っています。特にアメリカでは、オアフ島一周や大陸横断（約4800km）といった大規模な行進を達成しています。

その他の活動

伝道活動と並行して、そのユニークな経歴とメッセージから多くの著作を発表しています。代表作に『親分はイエス様』などがあります。また、ドキュメンタリーや劇映画にも出演し、その存在感を示しています。講演活動も精力的に行い、幅広い層に「You Are Loved」のメッセージを伝えています。

長年協力関係にあった親友の牧師の事故死や、それに伴う教団・教会の方針変更により、一時的に教会協力牧師の職を辞任しましたが、現在も様々な形で伝道活動を続けています。

アーサー・ホーランド氏は、規格外の経歴と型破りなスタイルで、多くの人々に希望と愛のメッセージを伝え続けている人物です。

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