宗谷岬

宗谷岬（そうやみさき）

宗谷岬は、北海道稚内市に位置する岬であり、日本本土における最北端の地として知られています。一般の人が訪れることのできる最北端の地であり、多くの観光客が訪れます。この場所は、宗谷岬公園として整備され、様々な記念碑や慰霊碑が点在しています。また、宗谷岬は、その美しい景観や歴史的な背景から、歌や文学の題材にもなっています。

概要

宗谷岬は、日本本土の最北端に位置し、一般の人がアクセスできる最北端の地として知られています。ただし、日本政府が実効支配する範囲での最北端は、宗谷岬沖合の無人島である弁天島です。さらに、領有権を主張する範囲での最北端は、択捉島にあるカモイワッカ岬です。宗谷岬からは、ロシア連邦が実効支配するサハリン島の最南端、西能登呂岬まで約43kmの距離があり、晴れた日にはサハリンの姿を望むことができます。周辺は宗谷岬公園として整備され、日本最北端の地の碑をはじめ、数々の記念碑や慰霊碑が点在しています。また、後背地には宗谷丘陵が広がっており、特有の周氷河地形を形成しています。宗谷岬は、フットパス「宗谷丘陵コース」の起点となっており、観光地としても人気があり、トリップアドバイザーによる「2015エクセレンス認証」を受賞しています。

宗谷岬は北緯45度に位置し、同じ緯度にはイタリアのミラノ、カナダのモントリオール、フランスのリヨンなどの都市があります。ちなみに、東京は北緯35度、日本最南端の沖ノ鳥島は北緯20度です。

地名の由来

宗谷岬は、アイヌ語で「ノテトゥ（notetu）」と呼ばれていました。「ノ（not）」は顎・岬、「テトゥ（エトゥ）（etu）」は鼻・岬を意味します。宗谷の語源は、アイヌ語の「ソー・ヤ（so-ya）」（磯岩の岸）であるとされています。由来には諸説あり、現在の珊内地区の海中にあったソウヤ岩という大岩から名付けられたという説や、宗谷岬沖の弁天島をアイヌ語で「ソヤスマ（ソヤシュマ）」と呼んでいたためという説があります。

地理

気候

宗谷岬のアメダスは1978年10月から観測を開始しました。過去に真夏日を観測した日はわずか5日しかありません。最高気温の記録は31.9℃（2000年8月1日）、最低気温の記録は-17.1℃（1986年 2月3日）です。年間平均の日較差は5.4℃と小さく、年間で冬日は138.4日、真冬日は76.7日、夏日は9.1日観測されていますが、猛暑日や熱帯夜は観測されていません。

降水量は8月から11月にかけて多く、1月から4月にかけては少なくなります。10月から12月にかけては雨の日が多く、日照時間は11月から1月にかけて短くなります。年間を通して風が強く、平均風速10m/s以上を観測する日は年間232.6日に達します。最大風速の記録は32.2m/s（風向：西、2019年1月16日）、最大瞬間風速の記録は42.5m/s（風向：西、2019年1月16日）です。

宗谷岬 公園

宗谷岬公園は、北海道稚内市宗谷岬にある公園です。通称は宗谷岬平和公園と呼ばれています。

公園施設

日本最北端の地の碑：北極星の一稜をモチーフにしたデザインで、中心のNは「北」（North）、台座の円形は「平和と協調」を意味します。石碑の高さは北緯45度31分22秒にちなんで4.53メートルです。
間宮林蔵の立像：1808年に宗谷から樺太へ渡り、樺太が島であることを発見した間宮林蔵の偉業を称え、1980年に建立されました。
宗谷岬音楽碑：1980年に建立され、「宗谷岬」の歌詞と楽譜が刻まれています。2002年には30周年記念碑が建てられ、歌のメロディが流れます。
旧海軍望楼：宗谷海域海軍戦没者慰霊碑・平和の碑があります。
宗谷海域海軍戦没者慰霊碑：1980年に建立され、宗谷防備で殉職した人々を慰霊しています。
平和の碑：1995年に日米合同で建立され、太平洋戦争中に宗谷岬沖で撃沈されたアメリカ海軍潜水艦ワフーの乗組員と、ワフーによって沈められた関釜連絡船崑崙丸の犠牲者を慰霊しています。
あけぼの像：北海道の牛乳生産量100万トンと飼育乳牛50万頭突破を記念し、1971年に建立されました。
ラ・ペルーズの碑：ルイ16世により太平洋探検を命ぜられたラ・ペルーズが宗谷海峡を発見したことを記念して、2007年に建立されました。
宮沢賢治文学碑：宮沢賢治が稚内から大泊へ渡る船中で作詩したとされる「宗谷（二）」の一節が刻まれています。
祈りの塔：1983年の大韓航空機撃墜事件の犠牲者を慰霊し、世界の平和を願うために1985年に建立されました。塔の高さや羽の数、石の数には意味が込められています。
2つの平和の鐘：1988年に建立された「世界平和の鐘」と「子育て平和の鐘」があり、世界平和を願うモニュメントです。
宗谷丘陵展望休憩施設：宗谷丘陵と宗谷海峡を一望できる施設で、1991年に完成しました。レストランでは地元の食材を使った料理が楽しめます。

宗谷岬 (曲)

「宗谷岬」は、1972年にリリースされた楽曲です。オリジナル歌手は黒木真理で、1976年にはダ・カーポによるカバーがNHKの『みんなのうた』で放送されました。この曲は宗谷岬の情景を歌っており、多くの人に親しまれています。ダ・カーポのバージョンは、北海道有線から「優秀賞」を受賞しており、1982年には榊原まさとしによるリメイク版も放送されました。『みんなのうた』では、ダ・カーポ版が長らく再放送されていませんでしたが、2022年に44年ぶりに再放送されました。

日本最北端の施設

宗谷岬とその周辺には、日本本土最北端となる様々な施設があります。

日本最北端の灯台（宗谷岬灯台）
日本最北端の店（柏屋）
日本最北端のガソリンスタンド（安田石油店宗谷岬給油所）
日本最北端の警察官駐在所（宗谷岬駐在所）
日本最北端の郵便局（宗谷岬郵便局）
日本最北端の郵便ポスト（稚内郵便局収集）
日本最北端の自動販売機（コカ・コーラ社製）
日本最北端の港湾（宗谷港）
日本最北端の小学校（稚内市立大岬小学校）
日本最北端の中学校（稚内市立宗谷中学校）
日本最北端のバス停（宗谷バスの宗谷岬バス停）
日本最北端の神社（宗谷岬神社）

アクセス

宗谷岬へは、宗谷バスが運行する路線バスや定期観光バスを利用できます。

路線バス

天北宗谷岬線を利用し、JR稚内駅前のターミナルから鬼志別ターミナル、浜頓別ターミナル、音威子府方面行きに乗車、約50分で「宗谷岬」バス停に到着します。バスは1日に4往復しており、片道料金は大人1420円、子供710円です。往復記念乗車券は2560円です。南[[稚内駅]]からは約45分、片道大人1300円です。

定期観光バス

稚内A・Bコースを利用すると、宗谷岬で下車観光ができます。季節運行で、例年5月から9月にかけて運行しています。

道路

国道238号（宗谷国道、オホーツクライン）が通過しています。

脚注

注釈

特になし

出典

「稚内・利尻島・礼文島の名勝」『海員 The Seamen 2016年10月号』、全日本海員組合、2016年10月1日。
“宗谷岬” (PDF). 稚内市公式観光ガイドブック. 稚内市・稚内観光協会. 2017年8月4日閲覧。
“宗谷岬公園” (PDF). 稚内市公式観光ガイドブック. 稚内市・稚内観光協会. 2017年8月4日閲覧。
「宗谷岬に行くには」、宗谷バス株式会社、2018年 4月11日閲覧。

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