アーサー・モリス

アーサー・ラザフォード・モリス：日本に尽力したアメリカ人宣教師

アーサー・ラザフォード・モリス（1846年6月4日 - 1912年2月17日）は、明治時代に日本に派遣された米国聖公会の宣教師です。彼は教育者として、聖テモテ学校（後の立教大学）の初代校長、東京の三一神学校（後の聖公会神学院）教授、そして立教大学校教授を歴任しました。

生涯と業績

ニューヨークで生まれたモリスは、1871年（明治4年）に来日しました。当時、米国聖公会の宣教師であり、立教大学の創設者であるチャニング・ウィリアムズは、日本での活動拠点を大阪に移していました。モリスは、ウィリアムズの熱心な呼びかけに応え、日本での宣教活動に身を投じることになります。

大阪での活動

モリスは大阪に到着後、ウィリアムズと共にミッション拠点の拡張に尽力しました。1872年（明治5年）には、ウィリアムズが古川町に開設した男子学校（聖テモテ学校）で英語教師として教鞭をとります。この学校では、英語だけでなく数学や理化学も教えられ、モリスは生徒たちの教育に情熱を注ぎました。しかし、私塾は開設からわずか4ヶ月で閉鎖されてしまいます。

1873年（明治6年）に聖テモテ学校が開校すると、モリスは初代校長に就任しました。しかし、1874年（明治7年）には、後任にクインビーを迎え、東京へと活動の拠点を移します。

東京での活動

1885年（明治18年）に東京に移ったモリスは、三一神学校（後の聖公会神学院）で教鞭をとる傍ら、立教大学校でも会計学を講じました。彼は教育者として、多くの学生を育成し、日本の教育の発展に貢献しました。

しかし、時代の変化とともに、立教大学校はカレッジとしての進展を断念せざるを得なくなり、1890年（明治23年）に立教学校へと名称を戻しました。ウィリアムズの退任やモリスらの学校事務への不慣れも影響し、学生数は減少の一途を辿りました。

モリス館

モリスは教育者としての活動に加え、立教大学に多額の寄付を行いました。彼の遺産は、1918年（大正7年）に建設された立教大学の本館（1号館）に活かされ、この建物は「モリス館」として親しまれています。モリス館は、モリスの功績を称えるとともに、立教大学のシンボルとして、今も多くの人々に愛されています。東京都選定歴史的建造物。

まとめ

アーサー・ラザフォード・モリスは、明治時代に日本で教育と宣教に尽力したアメリカ人宣教師でした。聖テモテ学校の初代校長や立教大学校の教授として、多くの学生を育成し、日本の教育の発展に貢献しました。彼の遺産は、立教大学本館「モリス館」として、今もその名を残しています。

モリスの生涯は、異文化理解と国際交流の重要性を教えてくれます。彼の精神は、立教大学の教育理念として受け継がれ、グローバル社会で活躍できる人材の育成に活かされています。

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