アーサー・M・サックラー・ギャラリー

アーサー・M・サックラー・ギャラリーは、アメリカ合衆国ワシントンD.C.のナショナル・モールに位置する、スミソニアン博物館群に属する美術館です。地下に広がる展示空間が特徴で、古代アジア、中東の美術工芸品を主に収蔵・展示しています。

このギャラリーは、医療研究者であり、医学関連出版事業にも携わっていたアーサー・M・サックラー氏からの多額の寄付によって建設されました。1987年の開館時には、約1000点にのぼる彼の貴重なコレクションが展示されました。コレクションの多くは中国の古代美術やイスラム文化関連の資料ですが、インドの彫刻、中国の陶磁器や絵画、そして古代王朝の彫刻やチベット、日本の絵画など、多岐にわたるアジアの美術作品を鑑賞することができます。アーサー・M・サックラー氏の弟であるレイモンド・R・サックラー氏は、サックラー・レクチャーの創設者としても知られています。

サックラー・ギャラリーは、隣接するフリーア美術館と地下通路で接続されており、両館は一体となって運営されています。入場は無料で、館内は滑らかな石造りのエントランスから地下の展示室へと続く構造になっています。両館の学芸員や運営体制も共通しており、ウェブサイトや会員組織なども統合されています。そのため、フリーア＆サックラー・ギャラリーとして一括して紹介されることもあります。

ギャラリーでは、学芸員による館内ツアーや、家族向けのワークショップ、イベントなども開催されており、活気のある雰囲気です。過去には葛飾北斎の作品展なども開催され、多様な企画が展開されています。また、教育プログラムを支援するインターンシップやボランティアの募集も行われています。

サックラー・ギャラリーは、スミソニアン協会本部の建物であるキャッスルに近く、インデペンデンス通りに面しています。最寄りの地下鉄駅はワシントンメトロのL'Enfant Plaza駅またはSmithsonian駅です。ギャラリーを訪れる際には、これらの情報が役立つでしょう。

充実したコレクションと、一体となったフリーア美術館との連携、そして活気ある教育プログラムによって、アーサー・M・サックラー・ギャラリーは、ワシントンD.C.を訪れる人々にとって魅力的な文化体験を提供しています。古代アジアの美術に興味のある方、スミソニアン博物館群を巡る旅行者にとって、必見のスポットと言えるでしょう。

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