アースソニック

アースソニック：地球の音を奏でた競走馬

2009年4月3日生まれの競走馬、アースソニック。その名は「地球の音」を意味し、その名にふさわしい長く記憶に残る競走生活を送りました。競走馬としての華々しい活躍から、引退後の穏やかな日々まで、アースソニックの生涯をたどってみましょう。

輝かしいデビューと若駒の時代

アースソニックは、2009年の北海道セレクションセールにおいて、1050万円という価格でノースヒルズに落札されました。2011年11月、京都競馬場での2歳新馬戦でデビュー。見事勝利を収め、競走馬としてのキャリアをスタートさせます。3歳シーズンはクラシックへの挑戦は見送られましたが、着実に経験を積み重ね、条件クラスを勝ち上がっていきました。そして、1600万下・醍醐ステークスを制し、オープン入りを果たします。

重賞初制覇とGIレースへの挑戦

4歳シーズン、アースソニックは重賞初挑戦となるシルクロードステークスに出走しますが、8着と結果を残せませんでした。その後、条件クラスに降級するも、1600万下・桂川ステークスを制し、再びオープンに昇級。そして迎えた京阪杯。スタート直後はやや掛かり気味だったものの、巧みな騎乗で落ち着きを取り戻し、ゴール前でクビ差の接戦を制し、念願の重賞初優勝を飾ります。続く5歳シーズンは、オーシャンステークスや高松宮記念など、GIレースにも挑戦。高松宮記念では16番人気と低評価だったものの、6着と健闘を見せました。その後もアイビスサマーダッシュで3着に入るなど、活躍を続けましたが、思うような結果を残せないレースも多くありました。

晩年の活躍と引退

6歳シーズンからは、函館スプリントステークスで優勝した京阪杯以来、約1年7か月ぶりの連対を果たすなど、復調の兆しを見せました。5月の韋駄天ステークスから11月の京阪杯まで5戦連続で複勝圏内に入るなど安定した走りを見せましたが、勝利には届きませんでした。7歳シーズン以降は、淀短距離ステークスで2着、京阪杯で3着に入るなど、高いレベルで活躍を続けましたが、8歳3月のオーシャンステークスを最後に競走馬登録を抹消され、引退することとなりました。

引退後の人生

競走馬を引退したアースソニックは、福島県南相馬市の松浦ライディングセンターで第二の人生をスタートさせました。乗馬として人々を乗せ、幾度となく相馬野馬追にも参加しました。そして2021年10月からは、功労馬として南相馬市内の返見ステーブルで繋養され、穏やかな日々を送っています。

血統と活躍馬とのつながり

アースソニックの3代母は、1980年阪神牝馬特別優勝馬であるタマモコトブキです。また、半姉タマモピアスの孫には、ファルコンステークス優勝馬であるタマモブラックタイがいます。このように、数々の活躍馬と繋がる由緒正しき血統を持つ馬でした。

アースソニックの競走生活は、華々しい勝利だけでなく、惜しくも敗れたレース、そして引退後の穏やかな日々を含め、多くの物語を私たちに残しました。「地球の音」を奏でたアースソニックの生涯は、これからも人々の記憶の中に生き続けることでしょう。

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