アーバニティ

アーバニティ(Urbanity)は、2004年5月12日生まれの競走馬。その華麗なる競走生活は、幾多の困難を乗り越え、数々の感動と記憶を残した。

デビューは2006年8月13日の札幌競馬場の新馬戦。しかし、残念ながら右前脚の骨折により長期休養を余儀なくされた。全治9ヶ月という診断を受け、中央競馬への復帰が困難と判断されたアーバニティは、地方競馬へ転籍することとなる。

地方競馬での戦いは順風満帆とは言い難かったものの、2007年12月26日、園田競馬場で待望の初勝利を飾る。その後、4連勝という快挙を成し遂げ、2008年、中央競馬へ再登録を果たす。所属厩舎は美浦の古賀慎明厩舎に変更となり、新たな環境で再出発を切った。

中央競馬復帰初戦は3着。続くレースでは見事に1着となり、中央初勝利を掴んだ。その後も村上特別、相模湖特別で1着、朝日岳特別、紅葉ステークスで好成績を残し、着実に力をつけていった。しかし、全てのレースで勝利できたわけではなく、敗戦を知ることもあった。

5歳になった2009年、迎えたのは大きな転換点だった。雲雀ステークスでは6着と結果を残せなかったものの、続く韓国馬事会杯を制覇。そして3月7日、アーバニティはオーシャンステークスで重賞初制覇という偉業を成し遂げた。その勢いを保ち、高松宮記念にも出走するも14着と大敗。その後も、スプリンターズステークス、オーロカップ、阪神カップなどに出走し、常に上位入賞を目指して戦い続けた。しかし、思うような結果を残せないレースも多く、競走馬としての厳しさも味わった。

2010年はオーシャンステークス連覇を目指したが12着と振るわず、その後も京王杯スプリングカップ3着、函館スプリントステークス5着、スワンステークス4着、オーロカップ7着、阪神カップ16着と、安定した成績を残すには至らなかった。

2011年も、シルクロードステークス2着、高松宮記念3着など健闘を見せる一方で、オーストラリアトロフィーでは18着と大敗するなど、波乱のシーズンとなった。CBC賞では7着、スプリンターズステークスでは13着と、思うような成績を残せずにシーズンを終えた。京阪杯、阪神カップでもそれぞれ15着、14着と結果を残せなかった。

2012年1月4日、アーバニティは競走馬登録を抹消。上三川ホースパークで乗馬となるも、同年3月12日、不幸にも骨折により安楽死処分となった。

アーバニティの競走生活は、華々しい勝利と苦しい敗戦、そして怪我からの復活劇と、ドラマチックな出来事が凝縮されたものだった。その活躍は、多くの競馬ファンに感動と記憶として刻み込まれている。半姉に阪神3歳牝馬ステークスを制したスティンガー、ローズステークスを制したサイレントハピネスを持つなど、その血統背景もまた、アーバニティの輝かしい経歴を彩る要素の一つとなっている。近親には菊花賞2着のフローテーションもいる。アーバニティは、多くの競走馬がそうであるように、短いながらも充実した、そして記憶に残る競走生活を送ったと言えるだろう。

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