アーヘンの和約 (1748年)

アーヘンの和約：オーストリア継承戦争の講和

アーヘンの和約は、1748年にドイツのアーヘンで締結されたオーストリア継承戦争の終結に向けた重要な講和条約である。この和約は、スペイン、イギリス、フランス、オランダなど、主要な戦争当事国間の交渉によって成立し、戦争によって占領された領土の返還や国際的な制度の更新が含まれている。特に、この和約は第二次アーヘン和約とも称され、過去の1668年に結ばれた第一次アーヘン和約に続くものだ。

締結の経緯

1748年の春、オーストリア継承戦争が長引く中、各国の代表者たちはアーヘンに集まり、講和会議を開催した。会議は1748年4月24日に始まり、4月30日から5月21日までの間に、イギリス、フランス、オランダの間で予備的な合意が形成された。この間に、マリア・テレジアのハプスブルク家の相続権やスペイン王フェルナンド6世の合意も得られ、最終的に締結の日は10月18日となった。サルデーニャ王カルロ・エマヌエーレ3世は、予備条約には同意したが、最終的な条約には合意できなかった。

和約の内容

アーヘンの和約の重要なポイントは、戦争によって占領された土地の返還である。具体的には、ニューイングランド植民地によって占領されていたロワイヤル島（現在のケープ・ブレトン島）のルイブール要塞がフランスに返還された。また、マドラスがフランスからイギリスに引き渡され、防壁条約によって定められたフランスの要塞がオランダに戻された。

さらに、スペインの王子フェリペは、パルマ公国、ピアチェンツァ公国、グアスタッラ公国を獲得し、モデナ公やジェノヴァ共和国はその地位の回復が認められた。加えて、1713年に締結されたイギリスのアシエント契約も更新され、黒人奴隷の供給に関する取り決めが再確認され、また1718年の条約に基づくイギリス王位継承に関するプロテスタントの条項も改めて確認された。さらに、神聖ローマ皇帝フランツ1世の承認も含まれ、マリア・テレジアの相続権が公式に承認されたことで、オーストリアにおけるハプスブルク家の権益も強固なものとなった。

また、プロイセン王国におけるシュレージエン（具体的な地域としてシュレージエン公国とグラーツ伯領）の領有が確認され、これにより、ドイツの領土におけるバランスも維持された。

その後

アーヘンの和約成立後、スペインはアシエントの条項に関して異議を唱え、1750年10月5日にはイギリスとの間でマドリード条約を締結した。この新たな合意により、イギリスは10万ポンドを得る代わりに、アシエントの請求権を放棄することとなった。これにより、条約の影響は長期にわたり続くこととなり、国際関係の中で重要な位置を占めることとなる。

関連項目

この条約は、オーストリア継承戦争における軌跡の一部であり、類似の合意としてオーボ条約（ロシア・スウェーデン間）、フュッセン条約（オーストリア・バイエルン間）、ドレスデン条約（オーストリア・ザクセン・プロイセン間）とともに、国際法の形成に寄与する契約として評価される。

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