カルロ・エマヌエーレ3世

カルロ・エマヌエーレ3世は、1701年4月27日にトリノで、サルデーニャ王ヴィットーリオ・アメデーオ2世の次男として誕生しました。兄ヴィットーリオ・アメデーオが1715年に天然痘で早世したため、王位継承者となりました。1730年、父王が精神疾患により退位すると、サルデーニャ王として即位しました。しかし、父が復位を企てたため、リヴォリ城に幽閉するという、厳しい決断を迫られました。

治世中、カルロ・エマヌエーレ3世は、ヨーロッパの主要な戦争に深く関与しました。ポーランド継承戦争では、フランス側のスタニスワフ・レシチニスキを支持し、ロンバルディアを占領しましたが、スペイン王フェリペ5世の参戦と領土要求により、複雑な交渉を強いられました。マントヴァを占領したものの、最終的にはフェリペ5世の要求が通り、1738年のウィーン条約で、サルデーニャはトルトーナとノヴァーラを獲得するにとどまりました。

続くオーストリア継承戦争では、オーストリア側で参戦し、フランス・スペイン連合軍と激戦を繰り広げました。初期は苦戦を強いられましたが、1746年以降はオーストリアの援助もあり、盛り返しました。主戦場がネーデルラントに移ったこともあり、最終的に勝利を収めることができました。1748年のアーヘンの和約では、サヴォワ、ニース、さらにヴィジェーヴァノを獲得しました。

度重なる戦争によって荒廃したサルデーニャの再建に、カルロ・エマヌエーレ3世は尽力しました。軍隊やサッサリ大学、カリャリ大学などの教育機関の再建にも力を注ぎました。その後、七年戦争への参戦は見送り、内政に専念しました。1773年2月20日、トリノで死去し、息子のヴィットーリオ・アメデーオ3世が王位を継承しました。

カルロ・エマヌエーレ3世は、3度の結婚をしています。1722年、プファルツ＝ズルツバッハ公テオドール・オイスタッハの娘アンナ・クリスティーナ・ルイーザ・デル・パラティナート＝スルズバックと結婚しましたが、彼女は夫の即位前に亡くなりました。1724年には、アンナ・クリスティーネ・ルイーゼの従妹で、ヘッセン＝ローテンブルク辺境伯エルンスト2世レオポルトの娘ポリッセナ・ダッシア＝ローテンブルグと再婚しました。ポリッセナは1735年に亡くなりました。1737年には、ロレーヌ公レオポルトの娘で、母方の従妹にあたるエリザベッタ・テレーザ・ディ・ロレーナと3度目の結婚をしましたが、エリザベッタも1741年に亡くなっています。

カルロ・エマヌエーレ3世の子供たちには、次の者がいます。

ヴィットーリオ・アメデーオ・テオドロ（1723年 - 1725年）：夭折。
ヴィットーリオ・アメデーオ3世（1726年 - 1796年）：サルデーニャ王位を継承。
エレオノーラ（1728年 - 1781年）
マリア・ルイーザ（1729年 - 1767年）
マリア・フェリーチタ（1730年 - 1801年）
エマヌエーレ・フィリベルト（1731年 - 1735年）：夭折。
カルロ・フランチェスコ・ロムアウド（1733年）：夭折。
カルロ・フランチェスコ（1738年 - 1745年）：夭折。
マリア・ヴィットーリア・マルゲリータ（1740年 - 1742年）：夭折。
ベネデット（1741年 - 1808年）：シャブレー公。

カルロ・エマヌエーレ3世の治世は、戦争と復興が交錯する時代であり、その生涯は、複雑なヨーロッパの政治情勢の中で、領土を守り、国家を再建しようとする君主の苦悩と決意を物語っています。

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