アーミーワンとは？意味をやさしく解説

アーミーワン：大統領専用陸軍機のコールサイン

アーミーワン（Army One）とは、アメリカ合衆国大統領がアメリカ陸軍の航空機に搭乗した際に使用される特別なコールサインでした。1957年から1976年までの間、実際に使用されていましたが、その後は使用されていません。

役割の変遷

1957年から1976年まで、大統領のヘリコプター輸送は陸軍と海兵隊が共同で担当していました。この期間には、陸軍のヘリコプターに大統領が搭乗する際に「アーミーワン」のコールサインが用いられていました。しかし、1976年以降は大統領のヘリコプター輸送任務は海兵隊が単独で担当することになり、アーミーワンのコールサインは使用されなくなりました。

大統領専用ヘリコプターのコールサインは、運用するパイロットが陸軍兵であるか海兵隊員であるかによって区別されていました。陸軍のパイロットが操縦する際には「アーミーワン」、海兵隊のパイロットが操縦する際には「マリーンワン」が使用されていました。

機体の詳細

大統領専用ヘリコプターは16人乗りであり、大統領とファーストレディのための座席、そして大統領に常に同行する2名のシークレットサービスのための座席が確保されていました。安全かつ快適な移動を提供できるよう、特別な内装が施されていたと考えられます。

着陸時の儀式

アーミーワンが着陸する際には、少なくとも1名の正装した陸軍兵が出迎えることが慣例となっていました。これは、大統領に対する敬意を示すとともに、陸軍の存在感を示すための儀式的な意味合いがあったと考えられます。

アーミーツー

ちなみに、副大統領が陸軍機に搭乗する際には、「アーミーツー（Army Two）」のコールサインが使用されていました。

参考文献

“Order 7110.65R (Air Traffic Control)”. Federal Aviation Administration (14 March 2007). 2009年10月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年5月1日閲覧。
Harding, Stephen (1997). U.S. Army Aircraft Since 1947. Atglen, PA, USA: Schiffer Publishing Ltd.. pp. 231–32, 235–36. ISBN 978-0-7643-0190-2.

アーミーワン