アームストロング・ホイットワース ホイットレイ

アームストロング・ホイットワース ホイットレイ (Armstrong Whitworth Whitley)

アームストロング・ホイットワース ホイットレイは、イギリスのアームストロング・ホイットワース社が開発した爆撃機で、主に第二次世界大戦中にイギリス空軍で使用されました。この航空機は、1934年にイギリス空軍省の仕様に基づき、ハンドレページ ヘイフォードの後継として企画・設計されました。ホイットレイは全金属製の大型双発機であり、特徴的なデザインを持っています。

デザインと特性

ホイットレイは、その細身の胴体と突き出た角型断面が特徴で、主翼は断面形が厚く、双尾翼式の尾翼を有しています。このユニークなスタイルは、そのような形状を持つ航空機の中でも特異です。機体の中央部と主翼の下には爆弾倉があります。また、機首と機尾には動力式機銃塔が備えられており、自衛のための武装が施されています。

運用歴

ホイットレイは1936年に初飛行し、1937年からイギリス空軍に正式に配備されました。第二次世界大戦初期にはハンプデンやウェリントンとともに主要な爆撃機として活躍しましたが、最高速度や航続距離においては他の機体に劣っていました。そのため、主に夜間に作戦を行うことが多かったです。爆撃任務だけでなく、宣伝ビラの投下などの任務にも従事しました。

技術的な改修を行いつつも、1942年頃には次第に旧式化が進む中で爆撃任務から外れましたが、沿岸哨戒やグライダー牽引、輸送任務においては1945年まで使用され続けました。

特筆すべきは、ホイットレイが連合国軍として初めてベルリンを爆撃した機体であり、イタリア本土への初の爆撃をも行ったことです。これにより、戦争のさなかにおけるその重要性が確認されました。

スペック

以下は、アームストロング・ホイットワース ホイットレイ Mk.V の主な性能です：

• - 全長: 21.48 m
• - 全幅: 25.60 m
• - 全高: 4.57 m
• - 翼面積: 114.3 m²
• - 機体重量: 8,710 kg
• - 全備重量: 12,790 kg
• - エンジン: ロールス・ロイス マーリン5 液冷12気筒 1,145 hp ×2
• - 最大速度: 357 km/h
• - 実用上限高度: 5,370 m
• - 航続距離: 2,660 km
• - 武装: 爆弾3,170kg、7.7mm機銃 ×5 （機首単装銃塔x1、尾部4連装銃塔x1）
• - 乗員: 5名

アームストロング・ホイットワース ホイットレイは、その独自のデザインと運用における重要性から、第二次世界大戦の航空機モデルの中でも特に記憶に残る存在となっています。

もう一度検索