アーム・アードミ党

アーム・アードミ党の概要

アーム・アードミ党（Aam Aadmi Party、略称AAP）は、インドの政党で、主にデリー首都圏を中心に活動を展開しています。この党名はヒンディー語で「普通の人々」を意味し、日本のメディアでは「庶民党」とも訳されますが、「一般人党」という表現も使われます。

発足の背景

この政党は、社会運動活動家のアンナ・ハザレによる反汚職運動から派生して2012年11月に結成されました。ハザレ自身は党には参加していませんが、その活動の一環として設立されたことが大きな特徴です。アーム・アードミ党が掲げる主張の一つには、ジャン・ロクパル法の制定が含まれています。これは、インドの三権分立の枠組みの上に、汚職防止のためのオンブズマン機関を新設することを目指しています。また、マハトマ・ガンジーの考え方を基にしたスワラージ（自治）や、中央集権からの脱却についても議論しています。

政治的な勢力の拡大

2013年のデリー首都圏議会選挙では、議席を持たなかった新しい政党でありながら、28議席を獲得する快挙を成し遂げました。その後、インド人民党（BJP）にも迫る勢いを見せ、特に税務職員出身のアルヴィンド・ケジリワルが国民会議派の首都圏首相を破るなど、政治的な注目を集めました。彼はその後、国民会議派からの支持を受けて首都圏首相に就任します。

ケジリワルの政策には、公共料金の引き下げなどがあり、これを「バラマキ」と批判する声もあれば、逆に公共福祉を推進するものとして評価される面もあります。こうした施策に対して、外資系企業は警戒を示す場面もあり、さらに中央政府との間では治安権限に関する権限委譲を求めるケジリワルの動きが、対立を引き起こしました。

辞任とその後の選挙

しかし、デリー独自の反汚職法が成立しないと判断したケジリワルは、2014年2月に首都圏首相を辞任します。続く連邦議会選挙では、434人の候補者を擁立したものの、ナレンドラ・モディが率いるインド人民党の影響を受け、わずか4議席のみの獲得にとどまりました。2019年の選挙では1議席となりましたが、デリー首都圏議会選挙では2015年に67議席を、2020年には62議席を獲得する圧勝を収め、ケジリワルは再び首都圏首相に就任しました。

最近の動向

2023年4月、アーム・アードミ党は選挙管理委員会から全国政党（National Party）としての認定を受け、その地位を確立しました。これにより、さらに広範囲な政治活動と影響力の強化が期待されています。

まとめ

アーム・アードミ党は、市民の声を政治に反映させることを目指し、特に汚職防止に向けた取り組みを強調してきました。今後の地方および全国の政治情勢において、同党がどのように立ち回るか注目が集まっています。

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