アーレニアン

アーレニアンは、ジュラ紀における地質時代の一つであり、具体的には約1億7410万年前から1億7030万年前（誤差あり）の期間を指します。この時代区分は、地質学的な研究において重要な基準となっています。

名称の由来は、ドイツのバーデン＝ヴュルテンベルク州に位置する都市、アーレンにちなんでいます。地質時代の名称は、その時代の地層がよく観察される地域や発見された場所に由来することが一般的です。

地質学においては、「アーレン階」という用語も存在しますが、これは時代を示すものではなく、地層に対して用いられる単位（層序名）です。したがって、「アーレン階」「アーレニアン階」と「アーレン期」「アーレニアン期」はそれぞれ地層と時代を指す対の関係にあります。層序名と時代名の関係についてより深く理解するためには、「累代」の概念を参照することが推奨されます。

アーレニアンの開始は、アンモナイトの一種であるレイオセラス属が初めて地質柱状図上に出現する地点をもって定義されています。この定義を明確にするため、国際標準模式層断面及び地点(GSSP)が、スペインのグアダラハラ県フエンテルサスの村の北500メートルの地点に設定されています。GSSPは、地質時代の境界を定義する上で国際的に合意された基準となる地点です。

日本においても、アーレニアンの地層を確認することができます。例えば、新潟県蒲原山地足尾帯にはジュラ紀の付加体が存在し、その下部ユニットはプリンスバッキアンからトアルシアン/アーレニアン境界に相当する可能性があります。また、中期ジュラ紀の付加体は蒲原山地中央部から東部、帝釈山地、足尾山地、魚沼山地西部にかけて分布していますが、正確な地質時代が特定されているのは足尾山地のものに限られています。

さらに、宮城県本吉郡歌津町と志津川町に分布する下部ジュラ系の志津川層群の上部を構成する細浦層からは、ヘッタンギアンからアーレニアンにかけてのアンモナイトが産出しています。これらの発見は、当時の日本の地質環境を理解する上で重要な情報源となっています。

このように、アーレニアンは地質学的な研究において重要な時代区分であり、世界各地の地層や化石の分析を通じて、当時の地球環境や生物相の解明に貢献しています。

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